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「純白〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

純白の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
「ミルキ夫人」と記されてあった。 扉が音もなくスーッと下にさがった。 中には純白の緞子《どんす》張りの壁が見えた。その中から浮彫りのようにぬけいでた一個の麗....
婦系図」より 著者:泉鏡花
早口で、 「御免なさい、何ですか、何ですか。」 三十三 カラアの純白な、髪をきちんと分けた紳士が、職人体の半纏着を引捉えて、出せ、出せ、と喚いて....
クララの出家」より 著者:有島武郎
ラの光りの髪」とアッシジで歌われたその髪を、真珠紐で編んで後ろに垂れ、ベネチヤの純白な絹を着た。家の者のいない隙に、手早く置手紙と形見の品物を取りまとめて机の引....
猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
子供は赤色を好み、段々と大きくなるに従って、色の浅いものを好むようになる、而して純白色のものを以て最も高尚なものとするのは、我輩文明人の常である、左れば染色上の....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
だ。昼から孝ちゃんに連れられて右手の原に行く。土の色などは見たくても見られない。純白な雪があるばかりだ。この二日で土の色は忘れてしまってどこへ倒れても決してよご....
地獄の使者」より 著者:海野十三
紙を折り畳んだものを引張り出した。それを指でつまんでひろげた。四つ折になっていた純白の無罫のレター・ペーパーだった。それを灰皿の上へ持っていった。それからライタ....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
なるところだった。その場の異様な光景! いや、世にも恐ろしき舞台面だ! 大きな純白の絹を伸べたベッドがある。そこに上半身を起している死神のような顔をした痩せ衰....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
るように見えて、岬にかくれた。 山藤が紫に、椿が抱いた、群青の巌の聳えたのに、純白な石の扉の、まだ新しいのが、ひたと鎖されて、緋の椿の、落ちたのではない、優い....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
して物思えり。渠が書斎の椽前には、一個|数寄を尽したる鳥籠を懸けたる中に、一羽の純白なる鸚鵡あり、餌を啄むにも飽きたりけむ、もの淋しげに謙三郎の後姿を見|遣りつ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
継母は一重の木槿垣をもて隔てたり。朝霧淡くひとつひとつに露もちて、薄紫に蘂青く、純白の、蘂赤く、あわれに咲重なる木槿の花をば、継母は粥に交ぜて食するなり。こは長....
黒百合」より 著者:泉鏡花
こいつあ分らない。」と件の手巾の包を目の前へ撮んでぶら下げた。その泥が染んでいる純白なのを見て、傾いて、 「何です。」 「見ると驚くぜ、吃驚すらあ、草だね、こり....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
浅黄色になり、更に又向上すると、あらゆる色が薄らいで了って、何ともいえぬ神々しい純白色になって来る。白竜になるのには大へんな修行、大へんな年代を重ねねばならぬ…....
三枚続」より 著者:泉鏡花
分暑かったでしょう、宅に居りましても今日あたりはまた格別なんです、」といいながら純白な麻を細く襲ねた、浴衣でも上品な襟を扱いて背後を振向き、 「定や、団扇を持っ....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
いて見ると愕いた。シートの上に青い顔をして仰向けに倒れている女がある、細い頸には純白のマフラを巻き着けられ、赤い絹糸のような一筋の血が唇から流れ出して、ゴムマッ....
梟の眼」より 著者:大倉燁子
ょう? 二千五百円じゃお安いと思いますが――」 三キャラット以上もありそうな、純白ダイヤ入りの指輪だ。陽子は蝋細工のような細い指にはめてみて、じっと眺めた。欲....