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「純粋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

純粋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
疑惑」より 著者:芥川竜之介
話を私に持ち出したのは、小夜《さよ》の親許《おやもと》になっていた校長で、これが純粋に私のためを計った結果だと申す事は私にもよく呑み込めました。また実際その頃は....
」より 著者:芥川竜之介
たいてい浅ましい動物的の本能に富んでいるらしかった。広子はそう云う篤介と一しょに純粋な妹を考えるのは考えるのに堪えない心もちがした。 広子の聯想《れんそう》は....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
、また一つには彼の性情が、どちらかと云うと唯物的な当時の風潮とは正反対に、人一倍純粋な理想的傾向を帯びていたので、自然と孤独に甘んじるような境涯に置かれてしまっ....
」より 著者:芥川竜之介
めるものはまだ全然ない訣《わけ》ではなかった。それは叔父さんの娘に対する、極めて純粋な恋愛だった。彼は彼の恋愛を僕にも一度も話したことはなかった。が、ある日の午....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
かに――己はこう云っただけでも、己の顔が赤くなるような気がする。己はそのほかに、純粋な情欲に支配されていた。それはあの女の体を知らないと云う未練ではない。もっと....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
尺に見える。川をはさんだ山は紅葉と黄葉とにすきまなくおおわれて、その間をほとんど純粋に近い藍色《あいいろ》の水が白い泡《あわ》を噴《ふ》いて流れてゆく。 そう....
路上」より 著者:芥川竜之介
草に火をつけながら、微笑するよりほかはなかった。が、娘はこの種類の女には珍しい、純粋な羞恥《しゅうち》の血を頬に上らせながら、まるで弟にでも対するように、ちょい....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
めらい勝ちに切り出した。 「うん、渡してくれたかい。」 彼の眼は子供のように、純粋な感情を湛《たた》えていた、若者は彼と眼を合わすと、慌《あわ》ててその視線を....
或る女」より 著者:有島武郎
通れと突き刺してくる。それを払いかねて木部が命限りにもがくのを見ると、葉子の心に純粋な同情と、男に対する無条件的な捨て身な態度が生まれ始めた。葉子は自分で造り出....
或る女」より 著者:有島武郎
の切《せつ》ない心持ちは、ひしひしと葉子にも通じるのだった。婆やと定子……こんな純粋な愛情の中に取り囲まれて、落ち着いた、しとやかな、そして安穏な一生を過ごすの....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
のべてあるのは至言である。『悪』とはつまり『不完全』、又は『未発達』の代名詞で、純粋の悪霊そのものは存在せぬ。どんな悪霊でも、最後には皆浄化し、美化し、善化する....
「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
も偉大であるが、ゴオルスウアアズイよりも芸術家ではないと云う。云う心の大部分は、純粋な芸術的感銘以外に作者の人生観なり、世界観なり兎に角或思想を吐露するのに、急....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
うにも、散歩をするにも、のべつ幕なしに議論をしたり。しかも議論の問題となるものは純粋思惟とか、西田幾太郎とか、自由意志とか、ベルグソンとか、むずかしい事ばかりに....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
to)に行って、図書館、庭園、博物館を見物した。ここにはガリレオの作った望遠鏡は純粋の炭素より成ることを確めた。 四月初めにはローマに向い、そこからファラデー....
まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
訪ねて来る。人に会う事はくたびれる仕事だが、会うことは亦愉快な事でもある。 私は純粋社会党員でありたい 社会党は政党として結党したのであるが、時々左右の対立な....