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「純美〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

純美の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
や氷が、森林の中で新醸《にいしぼ》る玉の水が、上高地を作って、ここが渓流中、色の純美たぐいありともおぼえない、梓《あずさ》川の上流になっている。 土人はカミウ....
高山の雪」より 著者:小島烏水
火口湖などに、絶えず美しい水を湛《たた》えているのも、また信飛地方の峡谷の水が、純美であるのも、雪から無尽蔵に供給するからである。 氷河は勿論だが、雪|辷《す....
作物の批評」より 著者:夏目漱石
下を定める事ができるかも知れぬ。(できぬかも知れぬ)崇高感を第一位に置くもよい。純美感を第一にするもよい。あるいは人間の機微に触れた内部の消息を伝えた作品を第一....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
》わずして嫁《か》し、何事も云う能わずして死せり。その貞操の高潔なる、その性情の純美なる、これをして疑うべくんば、天下いずれのところにか正義を求めん。これをしも....
少女地獄」より 著者:夢野久作
りで、自分たちは皆申し合わせたように美と愛の生活を独占して参りました。その純真、純美な愛の心によって、料理、裁縫、育児の事にのみいそしんで、その家庭生活を美化し....
江戸川乱歩氏に対する私の感想」より 著者:夢野久作
潤一郎のものを読んだ記憶があるだけであるが、これは又、全然、別世界を作った純真、純美なものではないか……と思うと、感激とも感謝とも形容の出来ない、タマラナイ読後....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
す守り育てて盛んにすべきであるが、古道の村山を史蹟としても、天然記念物としても、純美なる森林風景としても、保存の方法を講ぜられんことを望む。 我祖先が、始めて....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
の特色を異にするところの、二つの著るしい対照がある。即ちその一つは純粋に芸術的な純美であって、他の一つはより人間的な生活感に触れるところの、或る別の種類の美であ....
バルザックに対する評価」より 著者:宮本百合子
に反撥して示される民族主義的な誇、「私の政敵は即ちこの政敵です」「ああ王族は血統純美」というような蕪雑な王党的自己陶酔。一層我々に納得されにくい独裁専制政治と宗....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を好くお銀様は当然、「満月」というものを好かないのです。好くとか好かないとかいう純美淡泊なる感情も、この人に宿る時は、好きは溺愛となり、好かぬは憎悪《ぞうお》と....
秦の出発」より 著者:豊島与志雄
戻されると同時にまた深められた。それだけの経歴ではあるが、祈念する彼女の魂は実に純美であると誰しも認めたそうである。現代の言葉に飜訳すれば、或は精神統一とか或は....
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
いうような話が「常山紀談」に載っている。 外国は知らず、日本の戦争はここまで「純美化」し、「能化」している。美しく名乗りをあげ、美しく戦い、美しく死に、又は殺....
入社試験」より 著者:佐藤垢石
嘩の猛者であった。私は、入社前までは虫も殺さぬ順良な青年であったのであるけれど、純美な花蓮(?)もとうとう、見よう見まねで泥水に染まってしまった。 とうとう身....
民芸の性質」より 著者:柳宗悦
性ということです。民藝品たることは質素な簡単なものであることを要求してきます。単純美は民藝美の特権であるとさえ云えるのです。豪奢な着飾った高価な器物は、時として....