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純血
「純血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
純血の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「畜犬談」より 著者:太宰治
》犬の産地として知られているようであるが、街頭で見かける犬の姿は、けっしてそんな
純血種のものではない。赤いムク犬が最も多い。採るところなきあさはかな駄犬ばかりで....
「文学のディフォーメイションに就て」より 著者:宮本百合子
になって来るのである。 「嫌な奴」を作家が観照の圏外に追放しただけで文学の生命が
純血に保たれないのは勿論であるし、文学が現実を隈なくとらえてゆく意味でのリアリテ....
「貞操について」より 著者:宮本百合子
として、男の子のもたらして、としての意義から見られるようになった。彼等は、家畜の
純血をこのんだ。今日でもサラ・ブレッドが珍重されるように、ましてや自分の大事な宝....
「同感」より 著者:豊島与志雄
遂に鸚鵡を絞殺してしまった。 第二は、優者として動物に臨む態度だ。――B君は、
純血とまではいかないが可なり立派な土佐犬を飼っていた。屡々散歩に連れて出た。友人....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
、事実、今日に於いても賤民である。古来頻繁な外敵侵入にもかかわらず、彼等に比較的
純血が保たれてるのは、早婚(女は十歳から十二歳で婚姻する)が主な理由だとされてい....
「冬の王」より 著者:森鴎外
このデネマルクという国は実に美しい。言語には晴々しい北国の音響があって、異様に聞える。人種も異様である。驚く程
純血で、髪の毛は苧のような色か、または黄金色に光り、肌は雪のように白く、体は鞭の....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
族は清濁合せのむものであり、また清濁合せのみつつある時に興隆しているものである。
純血種だのユダヤ追放だのと旗ジルシをかかげたドイツや日本は戦争に負けるタイプであ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
事な顔立ちであろう。下町の美男と美女だけが、場違いの血を交ぜずに幾代も配合された
純血族《サラブレッド》の末に、このように洗練された顔だちが出来上るのであろうか。....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
ると、それに背をもたせながら、 「ご存知ないかもしれませんけれど、あたしの一族は
純血《ピュウル・サン》なのよ。……だから、あんたのような、うしろぐらいところのあ....
「猿の図」より 著者:三好十郎
これと三芳君とこに行ってるトンコなど、まずテリヤでは東京で二ツガイ三ツガイという
純血でしてな。ハハ。妙なもんで。血液を純粋に保つという点からいうと、理論的には、....
「世界漫遊」より 著者:ダビットヤーコプ・ユリウス
事に逢っても挫折しない元気を持っている。物に拘泥しない、思索ということをしない、
純血な人間に出来るだけの受用をする。いつも何か事あれかしと、居合腰をしているので....
「はつ恋」より 著者:神西清
てて、わたしの痩せ馬の首ったまに噛みついたりした。要するにまあ、甘やかされ放題の
純血種らしく振舞ったわけである。父はなかなか戻って来なかった。川からは、いやに湿....