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紙巻
「紙巻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙巻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
椅子《いす》から立ち上ると、会場の外へ歩み去った。
三十分の後《のち》、中佐は
紙巻を啣《くわ》えながら、やはり同参謀の中村《なかむら》少佐と、村はずれの空地《....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
博士が記者の方を見た。水戸が、ケースを博士に差し出した。そして博士の指に摘まれた
紙巻煙草の一本に、ライターの火を移した。博士は、貪《むさぼ》るように強く煙草を吸....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
直に尋ねた。 「それには色々の理由がある」帆村は、やっと気がついたように、一本の
紙巻煙草をぬきだして、口にくわえた。「まず、あの怪青年の顔だ。あんなに特徴のある....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
するのだろう」 青年は心の落付きをとりかえすためであろうか、ポケットから一本の
紙巻煙草をとりだすと口に銜えた。マッチの火がシューッと鳴って、青年の頤のあたりを....
「海底大陸」より 著者:海野十三
った。 「さあ手を出して。ホラ、たばこを受け取ってくれ」 ふたりは手さぐりで、
紙巻たばこを一本ずつ取り出した。 「マッチは?」 「おお、マッチもあるぞ」 ク....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
が、やがてその位置を風向きに調節されると、白鮫号は静かに走り出した。 東屋氏は
紙巻に火を点けると、舵手の私に向って口を切った。 「やっぱりそうだ。僕は今まで大....
「金属人間」より 著者:海野十三
、穴からはいあがった。ついでに汗をふいて、大きく深呼吸をし、それからポケットから
紙巻《かみまき》タバコを出して火をつけた。 かれは、生まれてはじめて、すばらし....
「密林荘事件」より 著者:海野十三
スを青年の前へ差出した。 「は、これはどうもすみません」 柴谷は大いに喜んで、
紙巻煙草を一本取って、警部のライターで火をつけた。柴谷の指先は、やにで染めたよう....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
、彼を待っていたように、机上の電話のベルが鳴った。 彼は左手の指にはさんでいた
紙巻煙草を右手の方へ持ちかえて、受話器をとりあげた。 「ああ、そうです。私は帆村....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
もこのように悲惨ですよ」 そういって、科学者の探偵帆村荘六は、彼の愛好惜まない
紙巻煙草の金鵄に、又火をつけたのであった。....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
「火の玉」少尉 「うーん、またやって来たか」 と、田毎大尉は、啣えていた
紙巻煙草をぽんと灰皿の中になげこむと、当惑顔で名刺の表をみつめた。前には当番兵が....
「獏鸚」より 著者:海野十三
けで、不良仲間からはてんで認められていないそうである――帆村は卓子の上から一本の
紙巻煙草をとってそれを口に啣えた。 「喫茶店ギロンでね、僕は恰好の団員が張りこん....
「雷」より 著者:海野十三
忘れてしまったかネ、こんな顔の男を。……」 そういいながら、紳士はポケットから
紙巻煙草を一本抜きだして口に銜えると、シュッと燐寸を擦って火を点けた。 赤い燐....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
て睡っている。機会は正に今だった」 そこで梅野十伍は、左手を伸ばして缶の中から
紙巻煙草を一本ぬきだし口に咥えた。そして同じ左手だけを器用に使ってマッチを擦った....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
久保田君の主人公はチエホフのそれよりも哀婉なること、なお日本の刻み煙草のロシアの
紙巻よりも柔かなるが如し。のみならず作中の風景さえ、久保田君の筆に上るものは常に....