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紙帳
「紙帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
》へ出ろ」と云いながら何処を探してもいないから、台所へ来て男部屋を開けますると、
紙帳《しちょう》の中へゴソ/\と潜《もぐ》って、頭の上へ手を上げて一生懸命に拝ん....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
ム》があるだけなんですものね。いえ、もうすぐにお判りになりますわ。あの男は、いま
紙帳《しちょう》の中で眠っておりますの――下が高簀子《たかすのこ》なものですから....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
羅宇の長煙管が、蛇になって動きそうに、蓬々と、曠野に※う夜の気勢。地蔵堂に釣った
紙帳より、かえって侘しき草の閨かな。 風の死んだ、寂とした夜で、あたかも宙に拡....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
。同書、前掲の文の続きに、 執着深き者共は、やにをほそき竹きせるに詰《つめ》、
紙帳を釣り、其内にて密々呑為申者共も、方々為有レ之由候。 と有るのを見ても、因....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
り、両人がひそ/\語り合っているを、忠義無類の孝助という草履取が、御門の男部屋に
紙帳を吊って寝て見たが、何分にも熱くって寝付かれないものだから、渋団扇を持って、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
十八 お銀様は、今ここで次のような大芝居を見ている。 宏大なる一室に
紙帳を釣らせて、その中に敷皮を敷いて、白絹の陣羽織に白金物《しらがなもの》打った....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に熊が出るの?」 「出てくるがなんともしない。」 「どんな風にしているの?」 「
紙帳《しちょう》とていってな、紙で張った蚊帳《かや》みたいなものを釣って寝るのだ....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
らわれた。 伊右衛門は驚いて庵室の内に入った。中にはさっき狂乱して引きちぎった
紙帳がばらばらになっていた。お岩の亡霊も跟いて入って来た。伊右衛門はふるえあがっ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
林の中から来た。頼母はそっちへ眼をやった。林の中に、白い方形の物が釣ってあった。
紙帳らしい。暗い林の中に、仄白く、
紙帳が釣ってある様子は、巨大な炭壺の中に、豆腐....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
身に酒を灌《そそ》ぎて蚊《か》に食われ親に近づく蚊を防ぐより、その酒の代をもって
紙帳を買うこそ智者ならずや。父母を養うべき働きもなく途方に暮れて、罪もなき子を生....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
さなかった。もっとも渋を刷いた厚紙で嵌込の蔽があって、それには題して「入船帳」。
紙帳も蚊帳もありますか、煎餅蒲団を二人で引張りながら、むかし雲助の昼三話。――学....