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紙筆
「紙筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「令狐生冥夢録」より 著者:田中貢太郎
れます」 王はその詞を用いた。 「よし、それでは供をさせよう」 吏員の一人は
紙筆を操って※の前へ置いた。 「これに事実を書くがよいだろう」 ※は事実を書こ....
「太虚司法伝」より 著者:田中貢太郎
、その時は俺の勝った時だから、酒を瀝いで祝してくれ」 家内の者は大異の言う通り
紙筆を棺の中へ入れたところで、三日過ぎて、白昼不意に暴風雨が起って、それに雷鳴が....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、たよりをしたいところがあるから硯《すずり》ばこを――」
女中が、持って来た、
紙筆を取り上げて、小綺麗な、筆のあとでお初は書いた。
折り入ってお話しいたしたき....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
文進金陵に至るに、荷持ち男、その行李《こうり》を負い去りて見えず。すなわち酒屋で
紙筆を借り、その貌《かお》を図し、立ちん坊連に示すと誰某と判り、その者の家に尋ね....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
「はい」 重「何んだ是は、松魚節箱だわ」 きん「はい」 と漸く硯箱を取寄せて、
紙筆を把らせましても、お照は紙の上に涙をぽろ/\こぼしますから、墨がにじみ幾度も....
「連環記」より 著者:幸田露伴
るに至った。宋主が寂照を見たまうに及びて、我が日本の事を問いたもうたので、寂照は
紙筆を請いて、我が神聖なる国体、優美なる民俗を答え叙べた。文章は宿構の如くに何の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
子の口吻によりてこれを前人に比較すれば、すでに源氏物語の六倍、八犬伝の約三倍強の
紙筆を費してなお且つ未完。量を以てすれば哀史、和戦史も物の数ではないということに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、乱暴、喧嘩、かけおち、すいきょう、座敷牢、千三屋、ロクでもないことには多分に
紙筆を費しているくせに、自分の修業のことになると、あんまり書いていないようだが、....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
見て何か書かせる時に、 「田村亀吉(亀先生の本名)名前が書けるか」 と云いながら
紙筆を出した、そうすると亀先生は受附の顔を見ながら、 「おれは書けるがお前はどう....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
す、一片の短文三度稿をかへて而《しか》して世の評を仰がんとするも、空《むな》しく
紙筆のつひへに終らば、猶《なお》天命と観ぜんのみ。(一葉随筆、「森のした草」の中....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
ちっとも面白くない。ここは何うあっても少佐が怪しいことになって貰わなくてはと、各
紙筆を揃えてじゃんじゃん書き立てたから、弱ったのは少佐殿だ。そんなことはないであ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
座の凝念思索の妨をなすことを得ず」「人の傘笠を戴き、人の履物をはくことを許さず。
紙筆、硯机、煙管、巾櫛の類より、炉中の火、硯池の水に至るまで、その主の許可あるに....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
では僕が大原君をここへ呼ぼう。ちょいと紙と筆を貸し給え、僕が今手紙を書くから」と
紙筆を乞《こ》いて換舌《かんぜつ》の牘《とく》を認《したた》め、中川家の下女に頼....
「三国志」より 著者:吉川英治
、于吉もこの類だ、まだ害毒の国全体に及ばぬうちに殺さねばならん。――汝ら、無益な
紙筆をついやすな」 頑として、孫策はきかない。すると、呂範がこうすすめた。 「....
「失うた帳面を記憶力で書き復した人」より 著者:南方熊楠
知るべし、と。民喜んで亟《すみ》やかに帰り、酒※を携えて至る。葛飲み畢り、命じて
紙筆を取らしめ、ために某月某日某人、某の物若干を染むと疏すること、およそ数百条、....