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「紙製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紙製の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
せぬけれども、社会では喜ばない。文学者の世の中にふえるということは、ただ活版屋と紙製造所を喜ばすだけで、あまり社会に益をなさないかも知れない。ゆえにもしわれわれ....
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
来器(いわゆる『飛んで来い』という玩具)です。そして、それを銜えている、穴のある紙製の球形は何んでしょうかねえ。僕は大体において、この事件が判ったような気がして....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ず、無理に起きている病人の如し。 ◯電灯の笠を元どおりに直す。防空遮蔽笠(ボール紙製)を取除き、元のようなシェードに改めた。家の中が明るくなった。明るくなったこ....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
六月、渋柿) 僕のふきげんな顔は君にも有名である。 三越の隣の刃物屋の店先に紙製の人形が、いつ見ても皮砥で剃刀をといでいる。いつ見ても、さもきげんがよさそう....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
十分に信じることができたし、自分の火術にも、十分以上の自信がもてる。 大砲は、紙製であったが、良質の紙を重ね合せた固さは、鉄と同じくらいの固さをもっていた。大....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
。鉄でこしらえてある金庫に腰をかけて、お尻にうんと力をいれると、その金庫がまるで紙製《かみせい》の箱のようにめりめりといって、こわれてしまうでしょう」 「いや、....
超人間X号」より 著者:海野十三
ぎやかな仏壇《ぶつだん》がこしらえてあった。電灯を利用したみあかしが、古ぼけた銀紙製《ぎんがみせい》の蓮《はす》の造花を照らしていた。線香立《せんこうたて》や焼....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
下りて来られるのかなあ。おや、このへんへ落ちてくるぞ」 まるで花火がうちだした紙製の人形のように、その人かげは風にのったまま、地面に対してななめにすうっと着陸....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
れだけ驚くべき根を拡げているかを調べてみるがいい。芸術はカフェーの店頭を飾るべき紙製の桜であってはならない。しかしややもすると、新日本文化は紙の桜となりがちであ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
るが早いか、すぐこうだ。 『日本の家はいまでも紙で出来ていますか。』 『梯子段も紙製ですか。いつも不思議に思うんですけれど、どうして紙の階段で昇ったり降りたり出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こへ現われて来ませんでした。どこにあったか天狗の面をかぶって、頭へは急ごしらえの紙製の兜巾《ときん》を置き、その背中には、前に弁信が背負っていた笈を、やはり頭高....
丹下左膳」より 著者:林不忘
数を手に、樒《しきみ》の葉に埋まっている。四方流れの屋根をかぶせた坐棺の上には、紙製の供命鳥《くめいちょう》を飾り、棺の周囲に金襴の幕をめぐらしてあるのだった。....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
なツマミから、よごれた青いリボンでぶら下げてある、安ものの、見かけばかりのボール紙製の名刺差しにとまった。この名刺差しには三つ四つの仕切りがあって、五、六枚の名....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
》をほおばる天使長ガブリエル、泰然と大海老《オマア》を弄《せせ》る馬糞《ばふん》紙製の小豚、羮《スウプ》をふき出す青面黒衣の吸血鬼《ヴァンピール》、共喰いをする....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
な黒い鴉だ。 ぞろぞろと汚らしい男女の童どもが出て並んだ家の戸口には、軒ごとに紙製の日の丸の旗が掲げられてあったが、それも紅が流れにじんでもうピラピラになって....