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紙質
「紙質〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙質の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
Oは眼を細くして「きこえる、きこえる」と云いました。そして自身でも試みて字を変え
紙質を変えたりしたら面白そうだと云いました。また手加減が窮屈になったりすると音が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
厳重にはめ込んであった。その蓋を取り除けて、筒の中にあるものを探り出すと、それは
紙質も判らないような古い紙に油絵具で描かれた一種の女人像で、異国から渡って来たも....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
本や、敵打ちの物語や、怪談物なぞを見ると、以前にも増して書物としての形も小さく、
紙質も悪しく、版画も粗末に、一切が実に手薄になっている。相変わらずさかんなのは江....
「破片」より 著者:寺田寅彦
の起こったのは浜口内閣の緊縮政策の高潮に達したころであったので、この政策と切符の
紙質の変化とになんらかの連関がありはしないかと考えてみたことがあった。 事実は....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
人が悉く所有し得る事なども、挿絵の明るき近代的な面白さである。 挿絵は、新聞の
紙質や製版の種類についても考える必要があると思う。目下の、日本の新聞紙の
紙質では....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
人が悉く所有し得る事なども、挿絵の明るき近代的な面白さである。 挿絵は、新聞の
紙質や製版の種類についても考える必要があると思う。目下の、日本の新聞紙の
紙質では....
「未来の天才」より 著者:豊島与志雄
表面よりも、凡てが模様化された裏面の方がずっといいと思った。それから、全体の色と
紙質とが非常にいい。両手で引張ったり爪先ではじいたりしてみると、緻密な強靱な音を....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
を向いて、 「君、もう一度読んで下さい」 それは先刻見せられたものと、全く同じ
紙質の、同じ大きさのもので、やはり丸味書体で書かれていた。 私は読んで行くうち....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った。ナショナル・リーダーというのが教科書なのを、ロイヤル・リーダーという絵や、
紙質の高踏なのを読んだりしだした。秀才文壇に投書したりしだした。 この酒井君が....
「紅色ダイヤ」より 著者:小酒井不木
夫君の所へ茶色の封筒の手紙が届きました。俊夫君はいつも手紙の封を切る前にまずその
紙質、文字、消印などを検査しますが、この封筒には差出人の名が無かったので、非常に....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
たことではないけれど、しかしそんな些細なことすら放って置けばあの人は気がつかず、
紙質、活字の指定、見本刷りの校正まで私が眼を通した。それから間もなく私は、さきに....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
茲《ここ》に多くいふの要あるを見ず。 三 浮世絵はその木板摺《もくはんずり》の
紙質と顔料《がんりょう》との結果によりて得たる特殊の色調と、その極めて狭少なる規....
「妾宅」より 著者:永井荷風
皮相的にして精神|気魄《きはく》に乏しきはむしろ当然の話である。当節の文学雑誌の
紙質の粗悪に植字《しょくじ》の誤り多く、体裁の卑俗な事も、単に経済的事情のためと....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
もやはり毒です。その根は白い色で繊維が沢山ある。その繊維でもって紙を製造します。
紙質は随分強いが真っ白な紙はない。少し黒くって日本の塵紙のようなものである。そう....
「三百年後」より 著者:小倉金之助
出来ない質の紙に印刷するがよい。これに反して、立派な本をば廉価にして、永久性ある
紙質を用うべきである。 これが、この歳になって、やっと悟り得た一つの教訓である....