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紙鳶
「紙鳶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紙鳶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
絵本、自分が手をとって習わせた難波津《なにわづ》の歌、それから、自分が尾をつけた
紙鳶《いかのぼり》――そう云う物も、まざまざと、自分の記憶に残っている。……
....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
かった。 彼は子供の時のことをふと思い出した。それは歳暮にでも持って行くらしい
紙鳶《たこ》をぶらさげた職人の客がはいって来たからであった。彼は故郷の広い野原で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
きい欅《けやき》の梢をひゅうひゅうと揺すって通ると、その高い枝にかかっている破れ
紙鳶《だこ》が怪しい音を立ててがさがさと鳴った。 強い風をよけながら、暗いなか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「ここにいるのはおかみさんの子供かえ、おとなしそうな児だ。小父さんが御歳暮に
紙鳶《たこ》を買ってやろうじゃねえか。ここへ来ねえ」 紙入れから一朱銀を一つつ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
陽子十六、晴彦十四 暢彦十二、昌彦十 ◯子供は一円五十銭にて買い来りし
紙鳶をあげてよろこびしが、遂に自作を始めたり。 ◯坪内和夫君年始に第一の客として....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
十八、九年の頃であろう。今も昔も変らないのは番台の拍子木の音。 春風が吹くと、
紙鳶を思い出す。暮れの二十四、五日ごろから春の七草、すなわち小学校の冬季休業のあ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
りゃなりません。それから兇器は、裏門側の会堂から二十|米程離れた所で、落ちていた
紙鳶を突き破っていたのです。」 そう云って、警部は一振りの洋式短剣を突き出した....
「橋」より 著者:池谷信三郎
を離した。鳩は一遍グルリと空に環を描き、今度はきゅうに南の方へ向って、糸の切れた
紙鳶のように飛んで行った。 シイカは蓋を開けられた鳥籠を見た。彼女の春がそこか....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
こなた同じ雲の峰四つ五つ、近いのは城の櫓、遠きは狼煙の余波に似て、ここにある身は
紙鳶に乗って、雲の桟渡る心地す。 これから前は、坂が急に嶮くなる。……以前車の....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
した。洋風の壁へかかっているのは、純日本風の扁額であった。墨痕淋漓匂うばかりに「
紙鳶堂」と三字書かれてあった。 「形学を学んだお前のことだ、
紙鳶堂の号ぐらい知っ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
口を開けたのである。忽然、紙帳は、一間ほど舞い上がった。もうそれは蜘蛛ではなく、
紙鳶であった。巨大な、白地に斑点を持った
紙鳶は、蒼々と月の光の漲っている空を飛ん....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
思う。 明治十六年の正月三日であった。なんだか陰って寒い日で、わたしが横町から
紙鳶をひき摺って帰って来て、ひる飯を食っていると――江戸時代の武家では、玄関から....
「正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
緑のアーチに「祝戦捷」などの文字も見えた。 交通の取締が厳重でないので、往来で
紙鳶をあげている子供、羽根をついている娘、これも例年よりは威勢よく見える。取りわ....
「我楽多玩具」より 著者:岡本綺堂
の我楽多玩具、それが私には甚く嬉しいんです。 私の少年時代の玩具といえば、春は
紙鳶、これにも菅糸で揚げる奴凧がありましたが、今は廃れました。それから獅子、それ....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
はり十八、九年の頃であろう。今も昔も変らないのは番台の拍子木の音。 五
紙鳶 春風が吹くと、
紙鳶を思い出す。暮の二十四、五日頃から春の七草、即ち小学校....