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紛らかし
「紛らかし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紛らかしの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海異記」より 著者:泉鏡花
腹の中で懸声さするかと思っただよ。 厭だからな、聞くまいとして頭あ掉って、耳を
紛らかしていたっけが、畜生、船に憑いて火を呼ぶだとよ。 波が平だで、なおと不可....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
おい回したり、用もないに家のまわりを回って見たりして、わずかに心のもしゃくしゃを
紛らかした。 四 夕飯が終えるとお祖母さんは風気だとかで寝てしもた。....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
むまし梅の中」とは感服々々、僕などのような横着者は出る句も矢張り横着で「梅ほめて
紛らかしけり門違い」かね、君のような書見ばかりして鬱々としてはいけませんよ、先刻....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。熱心でそうして機敏でありました。人に気取《けど》られようとする時は、何かに
紛らかして、なにくわぬ面《かお》をしている澄まし方などは、そのつもりで見れば驚く....
「現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
てこう心配事が出来ない性分だろう。もっとも心配事があると直ぐレコードをかけて直ぐ
紛らかしちまう癖があるんだけれど。」 ○牡丹や桜のように直ぐ散ってしまう花には同....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ここちよく迎えてくれた。とんぼの代りに自然を観察することが、かれを家庭の憂鬱から
紛らかした。自然というような広汎な抽象的観念がここに少しく開かれて、今までに覚え....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
ろを御覧に供しようかねと撃て放せと向けたる筒口俊雄はこのごろ喫み覚えた煙草の煙に
紛らかしにっこりと受けたまま返辞なければ往復|端書も駄目のことと同伴の男はもどか....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
ける新三郎の句を「煙草には燧火《すりび》のむまし梅の中」、志丈自身のを「梅ほめて
紛らかしけり門違い」と披露せしめている。いずれも圓朝自らの作句とおもうが、いかに....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
、笑われたものであった。「塵袋」に、 など、人まじろひもせぬ同じ様のものなれば、
紛らかして非人の名を穢多に付けたるなり。 とあるのは、鎌倉時代の実際らしい。し....