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「紛れ込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紛れ込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:岡本かの子
通りや新道路の繁華な刺戟に疲れた人々が、時々、刺戟を外ずして気分を転換する為めに紛れ込むようなちょっとした街筋―― 福ずしの店のあるところは、この町でも一ばん....
安重根」より 著者:谷譲次
はいっそう警戒が厳重だろうから――だが、それだけまたこっちにしてみれば、昼よりは紛れ込むに都合がいいわけだからねえ。 安重根 そんなことじゃあないんだ。会って話....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
すぐに脇差を取って懐中に突込み、裏口に在った笊を拾って海岸に出て、汐干狩の連中に紛れ込むなぞという際どい落付を見せて、とうとう大分まで逃げ延びた。ここまで来れば....
博物誌」より 著者:岸田国士
降り、台所の敷石の上を駆け回る。それから竈のそばへ移り、流しの下へ移り、皿の中へ紛れ込む。で、次々に、だんだん遠くへ偵察を進めながら、次第に私の方へ近づいて来る....
狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
崎あたりから、日本国の外へでも出る了簡で御座いましっろうか。それとも江戸、大阪へ紛れ込む積りで御座いましっろうか……その当てがガラリと外れた昨晩の蔵元屋のお召捕....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
。 「城」に縁の遠い身分の連中ほど多く訪ねて来たがる。時にはまたとんだいかものが紛れ込む。ポーランドの貴族と自称する片眼鏡の男は城の中の礼拝堂から処女マリア像の....
雪柳」より 著者:泉鏡花
翳った下へ、私は頭は光らないが、小さな蛍のようにもう吸込まれた。送って出たお孝が紛れ込むように、降り来る雨に、一騒ぎ。そこらがざわめく人の足音、潮時の往来の影。....