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「紛乱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紛乱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ずかに顔役の調和によりて、営業上|相干《あいおか》さざるを装えども、折に触れては紛乱を生ずることしばしばなりき。 七月八日の朝、一番発の馬車は乗り合いを揃《そ....
闇の書」より 著者:梶井基次郎
。父の妻、私の娘、美しい母、紫色の着物をきた人。苦しい種々の表象が私の心のなかを紛乱して通った。突然、私は母に向かって言った。 「あの路へ歩いてゆきましょう。あ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
じられなかったところの、超心霊的な奇蹟をなし遂げているのだ。それであるからして、紛乱した網を辛っと跳ね退けたかと思うと、眼前の壁はすでに雲を貫いている。そうなる....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
めるようなことは長く続かなかった。専断|偏頗の訴えはそこから起こって来て、教義の紛乱も絶えることがない。外には布教の功もあがらないし、内には協和の実も立たない。....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
て勝負に熱中したところで、その札の山を切り崩して行くことは出来ない。この羅針盤の紛乱こそ人間の胸のなかへ挑まれる内心からの抵抗の動乱である。この電流と稲妻との焦....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、颶風《つむじかぜ》のように颯《さっ》と四辺《あたり》の枯葉を捲き上げました。紛乱《ふんらん》として舞い上る枯葉の中に立った竜之助は、今その墓から出て来たもの....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
の猿を殺して山に渦紋を招き、伴大次郎は禁制の女髪剣に陽の目を見せて、いよいよこの紛乱にいっそうの血しぶきをくれようとしている。 きのうの宵、三国ヶ嶽の月が笠を....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
利ヲシテ全ク保護ヲ受クル能ハザラシムルモノナリ。 一 法典ノ実施ヲ延期スルハ争訟紛乱ヲシテ叢起セシムルモノナリ。 一 法典ノ実施ヲ延期スルハ各人ヲシテ安心立命ノ....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
でなければならないと言い得るだろう。 しかしこうなってくると、問題はまた困難に紛乱してくる。なぜならばその意味での韻文は、あえて独《ひと》り詩ばかりでなく、散....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
りたえざりけり」としてある。 その天正十三年は秀吉が内大臣となった年で、国内の紛乱がやや収まって桃山時代の文化が生れたところであった。その十七年二月にも、駿河....
神話と青春との復活」より 著者:豊島与志雄
亡主義の文学は、異境に於ける自己消費に終り、所謂行動主義の文学は、実行と行動との紛乱に悩んでいた。そして他の一部から、所謂報告文学がもたらされ、殊に戦陣からのそ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。いわゆる「大事を取る」ということをしか彼はしなかった。すべてはまだ脳裏に漠然と紛乱していた。何らのまとまった観念も認められないほどにその擾乱は激しかった。ただ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
った。孫に向かって祖父がだしぬけにもらしたその秘密から、戯曲家ならたいてい何かの紛乱を期待するかも知れない。しかし劇はそれでおもしろくなるかも知れないが、真実さ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、二重に映ろう道理とてはないのである。 こうして、否定と肯定とが背中合せして、紛乱の渦が、いよいよ波紋を拡げているうちに、いよいよこの一座は、「四谷怪談」をひ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、彼女をやんわりと浮かび上がらせている。目前の不条理に対して、いろいろの大事件の紛乱や恐怖に対して、彼女の心は溌剌と、放縦に、そうする自分の姿をちゃんと意識しな....