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紛失
「紛失〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紛失の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
僕の直感はたしかに的中した。たしかにこの引出の中に入れて置いた筈のそのボロ包みが
紛失しているではないか。 「盗まれた!――誰が盗んでいったろう」 僕は慄然とし....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
知れわたることを防いだ。ただ証拠としては、特別の形をもった薄刃の凶器と、そのとき
紛失した小函とその風変りな鍵の行方とが、後に残された。 ハルピン虎は、何喰わぬ....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
一子(姓不詳)ハ生死不明トナリタリ。ソレト共ニ『パチノ』ノ墓穴ニ関スル重要書類ハ
紛失シ、只本国ヘ送リタル二三ノ通信ト『パチノ』ノ墓穴|廓内ノ建築図トヲ残スノミナ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
気のついた人ならば気になったであろうところの三行広告が二つ並んで出ていた。 ○
紛失《ふんしつ》、赤革トランク、特別美|且《かつ》大なる把柄《はへい》あり、拾得....
「海底都市」より 著者:海野十三
地上の生物はいくたびか死に絶え、口碑伝承《こうひでんしょう》もとぎれ、記録も流失
紛失《りゅうしつふんしつ》して、ほとんど何にも残っていないのだ。ねえ、分るだろう....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
ことと思ったのに、そんなことはなかった。係官は、たった一枚の見栄えのしない油絵の
紛失について、一向驚いていないように見えた。そればかりか、盗品のかわりに、同じよ....
「金属人間」より 著者:海野十三
”と追い出し、そしてそのあとであの爆発が起こったのだ。してみれば、「骸骨の四」が
紛失《ふんしつ》していたことがひとつの手がかりかもしれない。いま、蜂矢探偵が、あ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
くも過ぎていないのです。 続いて起ろうとする怪事件は、そも何か。 警官の
紛失 「化物は何をしているんでしょ。ねエ警部さん」 と私は白木警部の腕を抑えて....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
んで祟るとか俗に言う、あの蜥蜴の尻尾の切れたのが、行方知れずになったより余程厭な
紛失もの。襟へ入っていはしないか、むずむずするの、褌へささっちゃおらんか、ひやり....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
「そのお金が五百円、その晩お手箪笥の抽斗から出してお使いなさろうとするとすっかり
紛失をしていたのでございます、」と句切って、判事の顔を見て婆さんは溜息を吐いたが....
「錦紗」より 著者:犬田卯
かけようとする巡査が自転車で先方からやってくるのに出遇ったので、それをよび止め、
紛失の話をした。すると巡査は笑って、 「ようく探したか、どこか家の中へ置き忘れて....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
句で飾ってあった、あの騒ぎに内裏様の女の方の、珠のちらちらのついた冠がたった一つ
紛失したのを、いつも気にかけておいでなさるくらいだのに、ああ、情ない。」 お夏....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
た勘定だけれど、数のあるこッたから、念にゃあ念を入れて毎日一度ずつは調べるがね。
紛失するなんてえ馬鹿げたことはない筈だが、聞きなせえ、今日だ、十九日というと不思....
「迷信解」より 著者:井上円了
神巫ありて占いをよくし、また祈り祭りをなして、病気そのほか諸事に効験あり。ことに
紛失物などには、妙にその所有を知るとの評判高く、かつ人の勧めもあれば、その巫を己....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
文明の程度は、アルゼンチンよりも十年間おくれおるという。また、郵便物の延着または
紛失すること多きは、わが国と同じからず。要するに、世界文明の中心を欧州とするとき....