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紛糾
「紛糾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紛糾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恋を恋する人」より 著者:国木田独歩
急に声をひそめて、「処《ところ》が可哀そうに余り面白く行かないとか大《だい》ぶん
紛糾《ごたごた》があるようで御座います。お正さんは二十四でも未《ま》だ若い盛で御....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。おとなしそうに見えていても、旦那取りをするような女じゃあ、ほかにも又いろいろの
紛糾があるだろう。そこで、お前はこれからどうする」 「さあ、それが判らねえから相....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なくても大抵の見当は付く。親孝行のお蝶が親よりも更に大事な人を見付けだしたという
紛糾に相違ない。稼業が稼業だけに、それをやかましく云うのも野暮だと半七は思った。....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
、こいつア新聞屋にゃア大受けだがね……」 二 事件は、俄然
紛糾しはじめた。警官達は大きな壁にでもぶつかった思いで、ハタと行き詰ってしまった....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は不可解な昏睡状態に、微妙な推断を要求しているのだった。その予想を許されない逆転
紛糾には、ひとり熊城ならずとも、まったくたまらない事件に違いないのである。検事も....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
てて心静かに、形勢を観望した。しかし間もなく、勝家に次ぐ名望家、丹羽長秀の言葉が
紛糾の一座を決定に導いた。長秀曰く、子を立てるとしたら此場合、信雄信孝両公の孰れ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に交わった。私はこの女をもナハバーリンとして交わる気であった。けれどもさまざまの
紛糾の末に、その結果は女の心に悩みの種を蒔き、みずからの心の平和を乱し、周囲の人....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
派な髯に、黄色い大きな禿頭をした男だったが、その口からは、艇長死体の消失をさらに
紛糾させ、百花千|瓣の謎と化してしまうような事実が吐かれていった。 「儂は、王立....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ゴク鳴らせて、息を出すのも、苦しげになってきた。 しかし、そうしてこの事件は、
紛糾混乱の絶頂にせり上ってしまったのである。 現在眼の前には、二枚の杉戸が立て....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
不明さ……もう一つ珠を弾くとしよう。宇和島という武士も問題になる。――四ツ事件が
紛糾ったってものさ。……ええとところで四ツの中で、どれが一番重大だろうかなあ?」....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
うに口を開くと「或いはそうかも知れません」と悄然と言って、「然し、その嘘は事件が
紛糾するのを怖れて口にした迄のものです。何故となれば、私のした事と今度の事とは全....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
は唯一の生活手段とするつもりの文学に全く絶望して、父の渋面、母の愚痴、人生問題の
紛糾疑惑、心の隅の何処かに尚だ残ってる政治的野心の余燼等の不平やら未練やら慚愧や....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
んで悶々鬱勃した磊塊を小説に托して洩らそうとはしないで、家常茶飯的の平凡な人情の
紛糾に人生の一臠を探して描き出そうとしている。二葉亭の作だけを読んで人間を知らな....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
え上がり、風に揺らめいた、と思うまに、また突然に消え失せてしまった。あのようにも
紛糾した経緯と、絶望的な混乱を経て、ついに恐ろしい結末を告げたエセックス伯の歴史....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
場に出勤して独唱。 ○八月、松竹会社が歌舞伎座を買収せんとし、同座一部の役員間に
紛糾を生じたるが、結局松竹が手を引くことになりて和解す。それと同時に座附の芝居茶....