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「紛議〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紛議の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女百貨店」より 著者:吉行エイスケ
た彼女の覊絆《きはん》の下で男が云った。 「わしはそのお礼によって、あとくされと紛議をかもさないように奥さんにご用立てしましょう。」 「利子は妾よ。」ずばりと彼....
幻影の盾」より 著者:夏目漱石
であった。確執の起ったのは去年《こぞ》の春の初からである。源因は私ならぬ政治上の紛議の果とも云い、あるは鷹狩の帰りに獲物争いの口論からと唱え、又は夜鴉の城主の愛....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
》になったり、二三日間朝から晩まで懇切に連れて歩いて貰ったり、昔日《せきじつ》の紛議《ふんぎ》を忘れて、旧歓《きゅうかん》を暖める事ができたのは望外《ぼうがい》....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
あそびながら、彼の顔をじッと見た。一寸だまった。 ――そればかりではないんだ。紛議の交渉とか争議費用として受取った金の分配などで、君がどの位誤魔化されているか....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
の山中にかくれているのを、無事支那官憲によって発見されたのである。従って之は遂に紛議のキッカケにならずに済むことが出来た。 それはそれでいいのであるが、しかし....
能とは何か」より 著者:夢野久作
尚この他に梅若派というのが最近に観世流から分派したが、一流と認めるか認めないかで紛議中と聞くからここには略する。唯、その一派の芸風は観世の円満華麗を一層あらわに....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ある対抗を外面上軍部に対して感じさせているのが見られる。常時の在満機構改組問題の紛議などが、その著しい一例だろう。 尤も軍部と政党乃至官僚とがいがみ合っている....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
事になったので、藩庁でも内々騒ぎ出した。そしてそれが外間へも漏れたので、いよいよ紛議が甚しくなった、殊に世子は右の長州への内使一件は後に聞かれたのであったから、....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
もよかった。元来彼らは芸術上の戦いにはいっさい加わるまいと注意していた。あらゆる紛議の外に用心深く身を置いていた。そして間違いをしやすまいかと気づかって、すべて....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
後|通牒《つうちょう》をフランスに送っていた。前からドイツとイギリスとの間にある紛議が起こっていた。そしてドイツは、それに関係しない権利をさえフランスに与えなか....
高尾ざんげ」より 著者:豊島与志雄
蔵書にも手をつけかけてる様子でしたが、外泊が度重なるにつれて、妻子のある家庭では紛議がもちあがりかけてるようでした。菊千代の方でも、梶さんの一種の戦死のあとのこ....
生前身後の事」より 著者:中里介山
らないとは思っていない、然し多少に不拘《かかわらず》これ等の配分方法について醜い紛議等が生ずるのは不本位千万だから、矢張り隣人座談会へ常々出席の諸君の評議によっ....
三国志」より 著者:吉川英治
、その時に、その荊州から起った。関羽の死と、荊州の喪失とである。 後の史家は、紛議して、これを玄徳の順調と好運がふと招いた大油断であるといい、また王佐の任にあ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
見に知ってしまったものとみえる。 さあ、事だった。――蜂の巣を突ッついたような紛議である。非難、腹立ち、失望、呶罵の声など、半日のまに、三塔十六谷の様相は、一....