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「素人下宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

素人下宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
失っていた。もっともこの二三年は彼にも変化のない訣《わけ》ではなかった。彼はある素人下宿《しろうとげしゅく》の二階に大島《おおしま》の羽織や着物を着、手あぶりに....
錯覚の拷問室」より 著者:佐左木俊郎
から縊《くび》れて死んだのだった。 房枝の死体をいちばん先に見つけたのは、その素人下宿の女主人だった。机の上に二本の手紙が残されてあった。一本は鈴木女教員に、....
党生活者」より 著者:小林多喜二
はSに会ったとき、朝の戸籍調べのことを話したら、全市を挙げて虱《しらみ》つぶしに素人下宿の調査をしているらしいから気を付けないといけないと云った。私はこの物々し....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
晩餐会《ばんさんかい》を催すことにした。 彼は、マハン・サンノム老人の経営する素人下宿に住居しているのだった。 サンノム老人は、神のように心の広い人で、元は....
あの時分」より 著者:国木田独歩
及ばぬことで、じゃんと就業の鐘が鳴る、それが田や林や、畑を越えて響く、それ鐘がと素人下宿を上ぞうりのまま飛び出す、田んぼの小道で肥えをかついだ百姓に道を譲っても....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
しかし、もっと雲をつかむような探し物があるんだがな。第一に、アパート。次に下宿。素人下宿もだ。シモタヤでも別荘でも寺院でもね。それから、旅館。あらゆるところを尋....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
とを希望するのである。 田舎人の多く着手する 商業の種類及びその真理 昔は素人下宿屋とて数人の学生を下宿せしめても、僅かの家族の食費ぐらいは儲かった時代も....
白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
ですから、満員となったところで七人以上の客を収容することは出来ない。いわば一種の素人下宿のような家で、主婦は五十をすこし越えたらしい上品な人でした。ほかに廿八九....
競漕」より 著者:久米正雄
いのだが、行って二人で攻めたら大抵承知するだろうと言うので、すぐ久野のいる追分の素人下宿へ行った。 久野はその時、彼の言葉通りに彼の第三番目の習作で、かなり大....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ないのである。生産するのも、学問するのも、自分ではない。自分はブローカーであり、素人下宿である。そういうような表情がありますね。なんしろ、これだけの都会で、東北....
自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
のを作った。 昔、紐育に居てボオグラム先生のスチュジオに働いていた頃、暫く同じ素人下宿に居られた鉄道省の岡野昇氏といわれる人が、私に小遣取をさせる気持で肖像を....
純情狸」より 著者:佐藤垢石
酌み、一青年学徒に扮して厩橋城下へやってきた。佐々木彦三郎と名乗って紺屋町付近の素人下宿を住まいとしたのである。この下宿は甚だ居心地よく庭に花圃菜園などあって、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
て、ぐずぐずしてはいられません。乗物の不自由な頃ですから、お祖母様と一緒に本郷の素人下宿に移り、そこから学校通いです。それでもう福羽邸通いはやめました。 学校....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
かった。碧梧桐君の親戚の陸軍大尉(?)宇和川氏の家にともかく一応落着いて、二人は素人下宿を探しに出た。そうして新町四十七番地鈴木芳吉という湯屋の裏座敷を借りて其....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
人の持家であって、その頃四十位の一人の未亡人が若い娘さんと共に裏座敷を人に貸して素人下宿を営んでいるのであった。裏座敷というのは六畳か八畳かの座敷が二階と下に一....