素人目[語句情報] »
素人目
「素人目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素人目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「去年」より 著者:伊藤左千夫
白斑の乳牛である。見ると少しく沈欝したようすはしているが、これが恐るべき牛疫とは
素人目には教えられなければわからぬくらいである。その余の三十余頭、少しも平生に変....
「島原心中」より 著者:菊池寛
どろんと気の抜けたような目付をしていましたが、傷が致命傷でないことは、医師でない
素人目にも、すぐ分かりました。 僕は、尋問にかかる前に、警察の方で調べた二人の....
「あひると猿」より 著者:寺田寅彦
もう日本語で羽根と名のつけられる程度のものが発生している。しかしまだ雌雄の区別が
素人目にはどうも判然としない。よく見るとしっぽに近い背面の羽色に濃い黒みがかった....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
うしみったれた根性から、その頭髪をなかば後頭の辺りへ押し込んでしまって、ちょっと
素人目だけを断髪らしくごまかして見せるなどもかなり多いようである。 洋装も本心....
「肝臓先生」より 著者:坂口安吾
隔離することゝなったのである。 ところが紫雲閣の主人がつらつら打ち見たところ、
素人目とは云いながら、女中は顔も不健康とは思われず、動作におかしなところもなくて....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の出せる事業ではないから省略することにした。 いったい何でも製造ということは、
素人目には非常な利益が多いように見えるものであるがその実全くこれとは反対である。....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
実認定の証拠たりうるか、言葉の証言だけで他にヌキサシならぬものがないようだから、
素人目には、この法律的な判断はどんな結論になり易いのか、とても見当はつけられない....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
新造の病気を診察した後で、医者は二階から下りてこうお光に言ったのである。なるほど
素人目にも、この二三日の容体はさすがに気遣われたのであるが、日ごろ腎臓病なるもの....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
して駆け付けた時、病床の氏は、後に聞けばカンフル注射のためであったそうであるが、
素人目には未だ絶望とも思われぬような息をついていたので、私は医師の許を受けて、 ....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
病しよう。こん度来るまでにはきっと独でお上んなさるようにして見せよう。そうすりゃ
素人目にも快くおなんなすった解りが早くッて、結句|張合があると思ったんですが、も....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
からはちょいちょい遊びに見えるようになりました。 勝田さんはひどい神経衰弱で、
素人目にも何かこう体全体がもうすっかり弱っているように見受けられました。何でも大....
「塩鮭・塩鱒の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
さけとますとは、
素人目には一見似たものではあるが、味から言えば、さけよりますの方がはるかに優る。....
「納豆の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
粒の納豆も美味い。しかし、昔のように美味くなくなったのは遺憾である。豆が多くて、
素人目にはよい納豆にはなっているが。 (昭和七年)....
「料理の秘訣」より 著者:北大路魯山人
け倒しで、いずれにしても美味いわけにはいかない。また魚市場で生かしてあるたいは、
素人目をよろこばせて、生きているよりよいたいはないように思いはするが、必ずしもそ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ように見えた、それで花崗片麻岩なる文字を用いることにした。最も露営地付近のものは
素人目にも明に劈開性が認められる。併し外見だけでは専門家でさえ誤り易い岩石の鑑定....