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「素地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

素地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
で、毎朝、自分の使う莨盆《たばこぼん》の灰吹を私に掃除させるのに、灰吹の筒の口に素地《きじ》の目が新しく肌を現すまで砥石《といし》の裏に何度も水を流しては擦《す....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
言葉|遣いをすれば――聖人や英雄の言行を学ぶのは、やがて聖人でもあり英雄でもある素地を造る第一歩をなすものだ。我れ、舜の言を言い、舜の行を行わば、即ち舜のみとい....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていて、おまけに毛根からの出血で、昏倒している彼女の顔は、一面に赭丹を流したよう素地を見ることが出来なかったそうであった。 その惨事が発生してから、わずか三十....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ともつれあって、鼻をくん/\さした。 開け放された裏の出入口からは、機械鋸と軸素地剥機が、歯を削るように、ギリ/\唸っていた。生の軸木を掌にとってしらべていた....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
の上、癡言を吐け、とお叱りを受けようと思いますのは、娼妓でいて、まるで、その婦が素地の処女らしいのでございます。ええ、他の仁にはまずとにかく、私だけにはまったく....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
る所によれば、同僧院にモーゼスを連れて行ったのは、霊達の仕業で、後年霊媒としての素地を作らしむる為めであったとの事である。 二十三歳の時帰国して学位を受け、や....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
の代りにマルクス・レーニンをすり替えただけで、このすり替えは簡単だった筈だ。その素地は、日本の軍部がつくってくれたのである。 すくなくとも、軍人指導下の日本よ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
は捨て児だったのだとか、何でも知っていて私に話してくれるのだった。 私の文学の素地、その根本基調はたしかに浄瑠璃から来たものだ。私の感情教育、美的教育はその義....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
念が大切な要素ですが、このことは、おそらく、学校にはいる前に既に家庭である程度の素地ができていなければなりますまい。 お宅のお子さん方は、その点、あなたから直....
明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
取りも直さず、これらの諸作家が平常の如何に関らず戦争に際して、動員され得るだけの素地を持っていたことを物語るものである。岩野泡鳴には凱旋将軍を讃美した詩がある。....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
オゲネスの如きものだが、それよりも、もっとナイーヴで自然であるが、もとより教養の素地がなくてこうなれるものではない。その教養の根幹は何かというと、はからずも華頂....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
んで専門文人となるまでの断乎たる決心は少しもなかったが、知らず識らずに偶然文人の素地を作っていた。時も時、学校を罷めて何をするという方角もなく、満腔の不平を抱い....
近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
きますまい。古来人間が着物のこと衣裳のことに多大な関心を以てデザインが研究され、素地である織物、染色に驚くばかりの進歩が成し遂げられています。料理に於ける着物の....
「特殊部落」と云う名称について」より 著者:喜田貞吉
人の頭を越ゆるもので、平将門は摂政藤原忠平の家人となって、遂に東国に割拠する迄の素地を作った。源頼信程のものも、町尻殿すなわち関白藤原道兼の家人として、その主の....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
間の対立感情が到底西洋の如くでなかったことを示している。かく東洋は王道文明発育の素地が西洋に比し遥かに優れている。 これに加うるに東洋に於ては強大民族の常時的....