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素封家
「素封家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素封家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
がこの我儘な希望通り取計らわれたばかりでなく、宿も特に普通の旅館を避けて、町内の
素封家《そほうか》N氏の別荘とかになっている閑静な住居《すまい》を周旋された。私....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
この麻利耶観音は、私の手にはいる以前、新潟県のある町の稲見《いなみ》と云う
素封家《そほうか》にあったのです。勿論|骨董《こっとう》としてあったのではなく、....
「或る女」より 著者:有島武郎
始めた赤十字社の勢力にもおさおさ劣らない程の盛況を呈した。知事令夫人も、名だたる
素封家《そほうか》の奥さんたちもその集会には列席した。そして三か年の月日は早月親....
「手品」より 著者:佐左木俊郎
達のチャセゴは、軒々を一軒ごとに廻るのではなく、部落内の、または隣部落の地主とか
素封家《そほうか》とかの歳祝《としいわ》いの家を目がけて蝟集《いしゅう》するので....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
母も心を晦まして結婚したとも考えられます」と規矩男は云った。 母の鏡子は土地の
素封家の娘だった。平凡な女だったが、このとき恋に破れていた。相手は同じ近郊の素封....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
雨天で、八ヶ岳は、すッぽり雲に包まれ、目前にあって見ることが出来ない。安都玉村の
素封家、輿水善重氏の宅で小休みする。善重氏は、文墨のたしなみがあり、菅原白竜山人....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
折損なことをしてた方がいいて理窟はがすめえ?」 森山は、世間の人達から、自分が
素封家の道楽息子として育ち、その延長に過ぎない生活をしているように思われるのをひ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
と立っているのが、ふと次郎の眼にとまった。真智子である。本田の筋向いの前川という
素封家の娘で、学校に通い出す頃から、恭一とは大の仲よしであった。学校も同級なため....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
うちに鶏舎から中村屋の料理室へ毎朝提供されるのです。 この鶏舎は初め甲府市外の
素封家河野氏邸にあって、令息豊信氏がシェパード犬を愛育する傍ら鶏を飼って居られた....
「地上」より 著者:島田清次郎
って来なかったし、富江と市子米子の二人の舞妓は賑やかな遊びの好きな、県会議員で、
素封家で、羽二重商で知られている男の座敷に招ばれていなかった。鶴子は明朝までの約....
「蜜柑」より 著者:佐左木俊郎
前、町の方へ嫁に行くことに話が纒まりかけていたお美代を、無理矢理に新田へ、土地の
素封家だと言うことだけで、いろいろと口説き落とした自分であったことを、ぼんやり思....
「縁談」より 著者:佐藤垢石
人の紹介で、私はそこの森山という人の家へ泊めて貰うのである。森山という人は土地の
素封家で、多くの田畑や山林を財産にして豊かに暮らしていた。大きな母屋に、土蔵が三....
「橋の上」より 著者:犬田卯
い彼の家は、碌々彼を学校へよこすことも出来ないのだった。 さぶちゃんの家は村の
素封家だった。K川に添った田や畑の大部分を一人占めにしているほどの物持ちで、さぶ....
「血の盃」より 著者:小酒井不木
々は、いまだに戦慄なしで話すことの出来ぬくらい深い印象を与えられた。 話は村の
素封家の一人息子と、貧乏な綿打屋の小町娘との恋物語に始まる。男は木村良雄といって....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
、犬のペリッ……ジュールは八十五万円、ペリッは二十七万円で、それぞれ小倉と長崎の
素封家へ引き取られて、これらの金は、ことごとく水の尾村役場の石橋家財産管理委員会....