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「素手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

素手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の想像もつかないので、それを木村に読ませるのは、武器を相手に渡して置いて、自分は素手《すで》で格闘するようなものだった。葉子はそこに興味を持った。そしてどんな不....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
とむしろ開き直り、二三度｜押問答《おしもんどう》のあげく、結局お辰はいい負けて、素手では帰せぬ羽目になり、五十銭か一円だけ身を切られる想《おも》いで渡《わた》さ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か出て行った留守で、川春の店にいない。と云って、立派に受け合って来た以上、今さら素手では帰れない。見ず識らずの草履屋へ行って、だしぬけに鯉を売ってくれと云ったと....
「蠅男」より 著者:海野十三
と、帆村はピストルを其の場になげだし、折しも穴を潜ろうとする蠅男の一本の足に素手で飛びついた。そうはさせじと蠅男の脚は、恐ろしい力で穴の中へ帆村の身体もろと....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
りした。僕がナイフを出そうかと思って、いったんポケットに手を入れたが、思い返して素手のまま向って行った。僕の研いだばかりのナイフを出せば、きっと彼を殺してしまう....
「わが町」より 著者:織田作之助
わては敲かしまへんぜ」 むしろ開き直り、二三度押問答の挙句、お辰は言い負けて、素手では帰せぬ羽目になり、五十銭か一円だけ身を切られる想いで渡さねばならなかった....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
五人だ。荒っぽい、無茶な仕事が飯より好きな連中だった。せいの低いずんぐりした唐は素手で敵の歩哨に掴みかゝって、のど笛を喰い切り、銃と剣を奪ってくるような男だった....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
にて毎夜｜添臥※…… ふくみ洗いで毎晩抱く、あの明石のしみを。行かれるものか、素手で、どうして。 秋の半ばに、住かえた、と云って、ただそれだけ、上州伊香保か....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
いかと、不快に思わずにはいられなかった。もう何も持って来る物も尽きた筈だ。今度は素手で来て、御手足でも揉みましょうと云出すかも知れない。そうしたら一喝してやろう....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
から飛び出して来た数名がバラバラツと取りかこみ、各自手にした樫棒で滅茶苦茶に打ち素手の警官はたちまちぶつ倒れて水溜りに顔を突つ込んだ。死んだやうになつてゐた数秒....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
。改めて二人は互の顔を見た。許すまじき忿怒の相を認め合って殺気立った。遂に劇しい素手の拳闘が始まってしまった。二人は遂に到着すべきところに、まっしぐらに飛びかか....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
、全く晴れた様でございました。と申しますのは、殺人方法なのでございますが、それは素手で行った絞殺でございまして、何んでも両手の親指を被害者の咽喉部にあて、四指を....
「罠に掛った人」より 著者:甲賀三郎
回往復した。 戸を叩く勇気はなかった。何かの口実で彼に会う事は出来るとしても、素手ではどうする事も出来ない。旨い隙を見て飛かかったとしても、老人ではあるが、頑....
「花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
いくち、長ドスをひらめかして斬ってかかる。 「しゃらくせえ」弁天お蝶は剣をぬって素手で渡り合う、その立廻りのあざやかさ、真っこうから切ってかかると肩をすかして泳....
「変身」より 著者:カフカフランツ
ばかりのミルクがまわりにこぼれているだけだった。妹はすぐ鉢を取り上げたが、それも素手ではなくて、ぼろ切れでやるのだった。そして、鉢をもって出ていった。グレゴール....