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素槍
「素槍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素槍の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
槍をもたせ後ろを押える人として叔父の川合甚左衛門、四十三という男盛り、若党与作に
素槍を担《かつ》がせ、同じく熊蔵を従えた主従十一人鎖帷子厳重に、馬子人足と共に二....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
のじゃ。繰返し、繰返し、槍の長さとか、穂の長さとか、得手は、管槍《くだやり》か、
素槍《すやり》か、とか、いろいろ聞いて参ったそうだ。江戸よりの下り道であろう。半....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
部屋の隅にあった碁盤と将棋盤を持って来て、それでやっと取り下ろしたのが九尺柄の
素槍《すやり》。 ちょうどこの日に、机竜之助もまたこの宿に泊っていたのでありま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とではない。宇治山田の米友ならば、二言《にごん》に及ばず、ここで啖呵《たんか》と
素槍《すやり》の火花が散るべき場合だが、与八では根本的に問題にならない。といって....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
陣原見れば
武蔵|鐙《あぶみ》に、白手綱
鳥毛の御槍に、黒|纏《まとい》
指物、
素槍で、春霞
益満の家から、益満の声で、益満の三味線で、朗らかな唄が聞えて来....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》の鏃《やじり》によりできたる傷。そもそも水矢の鏑には、普通には燕尾《えんび》、
素槍形《すやりがた》、蟹爪《かにづめ》のいずれかをもちいますのが方式。しかるに、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い猫のような眸を、じっと、射向けているのであった。 戦が熄んだといっても、まだ
素槍や素刀は、この辺を中心に、附近の山野を残党狩りに駈けまわっているし、死屍は、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
のすそから、ぬっと、二つの眼が光った。膝をついて這って来る男は抜刀を持ち、一人は
素槍を持って、そっと壁を撫でながら蒲団のすそのほうへ廻った。 「…………」 寝....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
たいに、搦手の雑人門の方へ降りて行った。そこの城門には、常詰の番人がいて、いつも
素槍を持って歩いているが、彼女の姿を見ると、番人も遠方から笑って頷いただけである....
「三国志」より 著者:吉川英治
生きて出ることはできないようになっている。とはいえもちろん客の視野には、一すじの
素槍の光だに、眼にふれないように隠してあった。 亭は花や珍器に飾られ翠蔭しきり....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
を待ちおろう」 河番所も、常よりは役人の手を殖やし、江戸表から来た同心などは、
素槍を持って中に交じっていた。戦時のような厳しさなのである。 「よしっ」 調べ....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
「へい」 「逃亡などたくむ者は、即座に突き伏せるから心得ておけ」 役人衆は、
素槍の先を、獄人たちの鼻の先へひけらかしていった。 驚いた事には、猿のことばが....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
衛はつづいて、猛然と、廊の外へ出ようとしたが、もういけなかった。荒木村重の家臣が
素槍をそろえて来たのである。 鷹の如く、ほかの部屋へ跳びこんだ。そこにも手具脛....