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素浪人
「素浪人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素浪人の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
いかに狭小貧弱なものであるかを見せつけられるような気がする。 これを見た目で「
素浪人忠弥《すろうにんちゅうや》」というのをのぞいて見た。それはただ雑然たる小刀....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ると、鋭くきき訊ねました。 「主人と言えば、親にもまさる大切なご恩人、然るにあの
素浪人共の手先となって、毒蛇など仕掛けるとは何事じゃ。かくさず有体《ありてい》に....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ずじっと五人の太刀先《たちさき》に目をつけました。 と、――いぶかしや、ただの
素浪人と思っていたのが、いずれも相当に使うらしく、それぞれ型にはまった太刀筋を示....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ゃッ。早う召し捕れッ、手にあまらば斬ってすてろッ」 「………」 「よッ。見馴れぬ
素浪人の助勢があるな! 構わぬ! 構わぬ! そ奴もついでに斬ってすてろッ」 「控....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
えごとをして歩いていたので、何も気がつかなかったが、供の男が、通りすがりに、この
素浪人の袖たもとに、思わず触れたものであったろう?
ならず士《ざむらい》は、い....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
その跡に残ったタッタ一人の君が二十年振りに、貴重な静養休暇を利用して、この天涯の
素浪人、轟雷雄の隠れ家を叩きに来ようとは思わなかったよ。 イヤ……実に意外だっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「して、貴殿は鹿児島の御藩でござるか」 「いかにも。以前は島津の家中、今は天下の
素浪人《すろうにん》」 「左様でこざるか。薩州は聞ゆる武勇の国、高名のお話なども....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は、いかに幕府の不利であることよとの懸念から、苦心惨澹を極めたことがあるが、天下
素浪人の新撰組に於ては、左様な頓着や遠慮は更にない。大藩であれ、親藩であれ、斬ろ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
源公は、小太郎をじっと眺めていたが
「不憫や、この子も」
と、大声に云って
「
素浪人」
と、小太郎に、聞えないように、小さく呟いた。そして
「お上んなせえま....
「志士と経済」より 著者:服部之総
しい心根であったと、暗然として亡妻をしのんだ。 雲浜が藩の忌諱《きい》にふれて
素浪人になったのは嘉永五年でこの年長女竹子についで長男繁太郎が生れ、おまけに雲浜....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
そのまま二、三間先まで、鞠のように転がって行った。 「や、やったなっ」 「どこの
素浪人」 これはもう太郎付の役であると否とにかかわらず、周りにいた柳生家の家臣....
「三国志」より 著者:吉川英治
た。呂布に勇猛あるかも知れぬが、彼には智慮がない。策士陳宮の如きは、たかの知れた
素浪人、しかも自分を裏切り去った卑怯者、目にもの見せてやろうと考えるだけであった....
「三国志」より 著者:吉川英治
「――で、拙者は、狂喜しました。さっそく新野に行きましたが、なんの手づるとてない
素浪人、折もあれば、拝姿の機会あるべしと、日々、戯歌をうたって、町をさまようてお....
「無宿人国記」より 著者:吉川英治
を買って、吉良家へ行ってやる気はないか」 「賢明人の御家老様が、何で、おのれ如き
素浪人に、そんな大事なお打明けなさるものか。よしまた、真であるにもせよ。丈八郎に....