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素膚
「素膚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素膚の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
手入れがひと渡り済んでしまうと、少し荒めと思われるはでな結城縮《ゆうきちぢみ》を
素膚へ涼しげにひっかけながら、茶無地の渋い博多《はかた》を伊達《だて》に結んで、....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
借りて来い。」 「よしきた。一つ、弁天様のお迎いに行くかな。」 藤屋のどてらを
素膚に引っかけた川島与七郎が、いつもの、古草鞋のような不得要領な顔で、気軽に腰を....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
け、雁の首を捻じるがごとく白鳥の口から注がせて、 「わりゃ、わなわなと震えるが、
素膚に感じるか、いやさ、寒いか。」と、じろじろと視めて寛々たり。 雪女細い声。....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
持って出そうだけれども、別に仔細はない。……参詣の散った夜更には、人目を避けて、
素膚に水垢離を取るのが時々あるから、と思うとあるいはそれかも知れぬ。 今境内は....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、少時して、青い顔の目ばかり樹の幹から出した処は、いよいよ似ている。 柳の影を
素膚に絡うたのでは、よもあるまい。よく似た模様をすらすらと肩|裳へ、腰には、淡紅....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
腹は何を巻いてかくしたか、縞小紋の糸が透いて、膝へ紅裏のにじんだ小袖を、ほとんど
素膚に着たのが、馬ふんの燃える夜の陽炎、ふかふかと湯気の立つ、雁もどきと、蒟蒻の....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
洋銀の靴箆を入れているのが動くたびにはっきり見えた。夫人は赤皮の飛行帽をかぶって
素膚の脚へおれんじ色の紛おしろいを叩くことによって靴下以上の効果を出していた。 ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
思うが、察するに上へは出せぬ寸断の継填らしい。火鉢も無ければ、行火もなしに、霜の
素膚は堪えられまい。 黒繻子の襟も白く透く。 油気も無く擦切るばかりの夜嵐に....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
間へ出たが、振返ると、若い女は泣いていました。露が閃めく葉を分けて、明石に透いた
素膚を焼くか、と鬼百合が赫と紅い。 その時、峰はずれに、火の矢のように、颯と太....
「春雪」より 著者:久生十蘭
、その音にあわせて、正面の扉のうしろは二坪ほどのコンクリートの水槽になっていて、
素膚に薄い白衣《びゃくい》を着た牧師と柚子が、胸まで水に漬って立っている。 眼....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
は無断借用といったところが真実らしい、浅黄に紺の、味噌漉し縞縮緬の女物の紙入れを
素膚《すはだ》に、これだけは人柄の掴み絞りの三尺、亀島町の薬種問屋近江屋がお年玉....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
すが、向うには、附添と見えて、薄汚い、そういっちゃ悪いが、それこそ穴だらけの袷を
素膚に着た、風体のよくない若い男が、影のように立っていました。 で、することは....