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「素裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

素裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
とく、 「かったいぼう」 とほざいて立ちあがった。そして手取り早く巻帯を解くと素裸かになって、ぼりぼりと背中を掻《か》いていたが、今まで着ていた衣物を前から羽....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
があってはならぬ――が、お身に合いそうな着替はなしじゃ。……これは、一つ、亭主が素裸に相成りましょう。それならばお心安い。」 きびらを剥いで、すっぱりと脱ぎ放....
海異記」より 著者:泉鏡花
って、七転八倒するだでな、兄哥|真直に突立って、ぶるッと身震をさしっけえよ、突然素裸になっただね。」 「内の人が、」と声を出して、女房は唾を呑んだ。 「兄哥がよ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
たが、 「纏頭をするぞ。それ、錦を着て行け。」 かなぐり脱いだ法衣を投げると、素裸の坊主が、馬に、ひたと添い、紺碧なる巌の聳つ崕を、翡翠の階子を乗るように、貴....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
納屋、苫屋の袖には、しおらしく嫁菜の花が咲残る。……あの戸口には、羽衣を奪われた素裸の天女が、手鍋を提げて、その男のために苦労しそうにさえ思われた。 「これなる....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
取上げた日には、これ、この頃の画工に頼まれたら、大切な娘の衣服を脱いで、いやさ、素裸体にして見せねばならんわ。色情狂の、爺の癖に。」 十三 「生蕎....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
で練った、というのが、尋常ごとではない。 十日を措かず、町内の娘が一人、白昼、素裸になって格子から抜けて出た。門から手招きする杢若の、あの、宝玉の錦が欲しいの....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、青天の雷神が倒めったように這身で大きな頭を出したのは、虎の皮でない、木綿越中の素裸――ちょっと今時の夫人、令嬢がたのために註しよう――唄に…… ……どうすりゃ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ものもなし、居まわりが居まわりなんで、鼻緒を切らすと跣足で駆歩行く、袖が切れれば素裸で躍出る。砂を掴む、小砂利を投げる、溝泥を掻廻す、喧嘩はするが誰も味方をする....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
深さは、と云う日になると、何とどうです、崩れ口の畦の処に、漁師の子が三人ばかり、素裸で浸っていたろう。 (どうだ深いか。) と一ツ当って見ると、己達は裸で泳が....
星女郎」より 著者:泉鏡花
りで絹縮らしい扱帯は、平にあやまりましたが、寝衣に着換えろ、とあるから、思切って素裸になって引掛けたんです。女もので袖が長い――洗ったばかりだからとは言われたが....
多神教」より 著者:泉鏡花
。今度は鬼女、般若の面のかわりに、そのおかめの面を被せい、丑の刻参の装束を剥ぎ、素裸にして、踊らせろ。陰を陽に翻すのじゃ。 仕丁 あの裸踊、有難い。よい慰み、よ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
畑へ入って瓜を盗んで食ううちに、あたり一面の水になって、膝まで来て、胴へついて、素裸になって、衣ものを背負って、どうとか……って、話をするのを、小児の時、うとう....
式部小路」より 著者:泉鏡花
んでさ。 そこへ談を極めましてね、夏のこッたし、わけはありません。仕事着一枚の素裸。七輪もなしに所帯を持って、上げた看板がどうでしょう、人を馬鹿にしやがって!....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
飲むせいか、……やがて、近常さんの立ちなすった時は、一座大乱れでもって、もうね、素裸の額へ、お平の蓋を顱巻で留めて、――お酌の娘の器用な三味線で――(蟷螂や、ち....