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「素見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

素見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ぎし》りいたして悔《くや》んでおりました。今夜も懶《なま》けものの癖として品川へ素見《ひやかし》にまいり、元より恵比寿講をいたす気で某《ある》楼《うち》へ登《あ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
木戸を境にして、品川、鮫洲、大森のあたりを遊び歩いていました。品川の貸座敷などを素見《ひやか》すのもありましたが、その頃はどこでも外国人を客にしません。料理屋で....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
、悠然として江戸町の方へ曲って行きました。 だが、曲るは曲って行ったにしても、素見《ひやかし》一つするでもなく、勿論|登《あが》ろうというような気はいは更にな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
六七で、容貌《きりょう》がいいのに声がいいというので、廓でもだいぶ評判になって、素見《ひやかし》なんぞは大騒ぎをしていたんだが、それがどうしてか、去年の暮頃から....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
途へ鞍替えをしたのであるから、伊勢屋の店は引っくり返るような騒ぎになった。土地の素見の大哥たちも眼を皿にした。 お駒は寝床のなかで絞め殺されていたのであった。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、すらりと懐手のまま、斜めに見返って、 「用らないものを、何だって価を聞くんだ。素見すのかい、お前は、」 「…………」 「素見すのかよ。」 「ええ、別に、」と俯....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
は此店の女主人に向い有らゆる形の傘を出させ夫も了ぬ是も気に叶わずとて半時間ほども素見したる末、終に明朝見本を届くる故其見本通り新に作り貰う事にせんと云いて、此店....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
りも手近である関係上、つい神戸を多く訪問する。そして例えば私の好きな古道具などを素見しながら山手の三角帳場から両側の店を覗きつつ生田前へ出ることに近頃ではおおよ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ゃんお客様が、ッて女房さんが言ったでしょう。 内へ来るような馴染はなし、どこの素見だろうと思って、おやそうか何か気の無い返事をして、手拭を掛けながら台所口から....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
が立ったあとへは、鋲の目が出て髯を揉むと、「高利貸が居るぜ。」とか云って、貸本の素見までが遠ざかる。当り触り、世渡は煩かしい。が近頃では、女房も見張りに馴れたし....
露肆」より 著者:泉鏡花
をむずむずと動かして、溝の上へ膝を摺出す、その効なく……博多の帯を引掴みながら、素見を追懸けた亭主が、値が出来ないで舌打をして引返す……煙草入に引懸っただぼ鯊を....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ね。」 榎の梢は人の家の物干の上に、ここからも仰いで見らるる。 「総曲輪へ出て素見そうか。まあ来いあそこの小間物屋の女房にも、ちょいと印が付いておるじゃ。」 ....
名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
遊郭は最も繁昌しなければならぬのに、その頃試みに中村遊郭内を散歩して見るがよい。素見の客があちらにチラリ、こちらにチラリ、ところ/″\にタクシーが横づけになつて....
迷信解」より 著者:井上円了
なおほかに真実の怪火があることは疑いない。しかし、その怪火と同種のものにても、平素見慣れたるものはだれありて怪しむものはない。例えば蛍火のごとき、人の怪しまざる....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
さかに、障子が橙色の灯影に燃え立つように明って見える二階はあったが、それでもまだ素見の客の姿も、そこらの格子戸の中には見透かせなかった。 だが、こうした見知ら....