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素顔
「素顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
しき美人なり。 これはたして何者なるか。髪は櫛巻《くしま》きに束《つか》ねて、
素顔を自慢に※脂《べに》のみを点《さ》したり。服装《いでたち》は、将棊《しょうぎ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
鯛、比目魚 一
素顔に口紅で美いから、その色に紛うけれども、可愛い音は、唇が鳴るのではない。お蔦....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
で、裏から帰って行ったが、それと一緒に何か話しをしながら、家にはいって行く吉弥の
素顔をちょっとのぞいて見て、あまり色が黒いので、僕はいや気がした。 二....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
どこかに来てるかも知れませんな」 覆面の名探偵は、検事の親友だった。覆面の下の
素顔を知っているものは、少数の検察官に止まっていた。青竜王に云わせると、探偵は素....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
んだろう。わたしにゃ、紗の三重ベールなんか、あってもないのと同じこと、お前さんの
素顔が、ありありと見えているんだ」 暗闇で、ものが見える目を持っていると自称す....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
、そのようなひどいことをするのか。またかれのいまかぶっている仮面の下には、どんな
素顔があるのか。それはともに一刻もはやく知りたいことではあるが、もうすこし先まで....
「海底都市」より 著者:海野十三
か。 「御念《ごねん》の入ったごあいさつです。気が変になんかなりませんから、早く
素顔《すがお》と
素顔とをつきあわせましょう」 そういってしまってから、僕はしま....
「火星兵団」より 著者:海野十三
奇妙な顔がのぞいている。それは、丸木のほんとうの顔だった。つまり耐圧服をぬいで、
素顔をみせているのであった。奇妙な火星人の顔であった。
眼は大きく、くちばしの....
「怪塔王」より 著者:海野十三
「さあ、はやく覆面をとってください。しかし帆村探偵よ。この覆面の下にある我が輩の
素顔を見て、腰をぬかさぬように!」 5 怪塔王が、いまや覆面をはぎと....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
今まで数回川上機関大尉に出くわしているのであるが、いつも巧みな変装姿だったので、
素顔を知らない。事実、見分けがつきかねているのだった。 なるほど、どれも、見れ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
鳴って〆った姿。わざと短い煙管で、真新しい銅壺に並んで、立膝で吹かしながら、雪の
素顔で、廓をちらつく影法師を見て思出したか。 ――勘定をかく、掛すずりに袖でか....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
立出でて、美女の面一人ごとに、式の白粉を施し、紅をさし、墨もて黛を描く、と聞く。
素顔の雪に化粧して、皓歯に紅を濃く含み、神々しく気高いまで、お珊はここに、黛さえ....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ザルスは、その荘厳な夕日を浴びた深刻な顔をあげた。真っ赤な夕日の光りがローマ人の
素顔や頭をも銅の人像のように照り輝かしているのに、ラザルスも気が付いた。すると、....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ろうか、段々|身体を衰えさして、年紀はまだ二十二というのに全盛の色もやや褪せて、
素顔では、と源平の輩に遠慮をするようになると、二度三度、月の内に枕が上らない日が....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ようにしながら、人も世も二人の他にないものか。誰にも心置かぬ状に、耳許にその雪の
素顔の口紅。この時この景、天女あり。寂然として花一輪、狼に散る風情である。 「ど....