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素養
「素養〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素養の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
のように一介《いっかい》の語学者にほかならなかったとすれば、教師堀川保吉は語学的
素養を示すことに威厳を保つことも出来たはずである。が、芸術に興味のない、語学的天....
「或る女」より 著者:有島武郎
期待を与えた。ある時は葉子は慎み深い深窓《しんそう》の婦人らしく上品に、ある時は
素養の深い若いディレッタントのように高尚《こうしょう》に、またある時は習俗から解....
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
か。できるならば私はそれがしたい。しかしながら、私の生まれかつ育った境遇と、私の
素養とは、それをさせないことを十分意識するがゆえに、私は、あえて越ゆべからざる埓....
「弓町より」より 著者:石川啄木
そんならどうすればいいか? その問題をまじめに考えるには、いろいろの意味から私の
素養が足らなかった。のみならず、詩作その事に対する漠然たる空虚の感が、私が心をそ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
人は青年に尋ねたのである。会話の英語でないのを、すでに承知していたので、その方の
素養のあることが知れる。 青年は椅子をぐるりと廻して、 「僕もそうかと思いまし....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
。シカシ私ハイツワラナイデ始メタ時カラノヲ全部送リマシタ。(中略) 私ノ町ノ知的
素養ノイクブンナリトモアル青年デモ、自分トイウモノニツイテ思イヲメグラス人ハ少ナ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
験に関りを持った人と物との凡てに対して私は深い感謝の意を捧げる。 これは哲学の
素養もなく、社会学の造詣もなく、科学に暗く宗教を知らない一人の平凡な偽善者の僅か....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
りません?」 「私たちは、お嬢さんがたほど信用がなかったのか、それとも私に音楽の
素養がないと思ってか、侯は私たちには、そんな話をしませんでしたね。いつもする話は....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
住民となって、文芸省を担任して貰いたいのだ」 「文芸省?」 「そうだ。君の文芸的
素養をもって、この火葬国に文芸を興して貰いたい」 「文芸を興せというのかい」 ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
文の妙を極むるのであった。 『が、私は私の心が少しも利用されないとか、私の精神的
素養が、少しもその文体の上に影響を与えないとか主張するものではない。私の観る所に....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
待つてましたとばかり、「これだから日本の監督はだめだ。てんで音楽に対する理解力も
素養もないのだから、これでいい映画のできるわけがない」と、こうくるに決つたものだ....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
イにそつくりの老人で税務署長、村長などを勤め、晩年は晴耕雨読の境涯に入り、漢籍の
素養が深かつた。 私の生れは四国のM市で、妻の生れは同じ市の郊外である。そして....
「作画について」より 著者:上村松園
参りました。 当時絵に志すほどのものはほとんど漢学の勉強が必要であって、それが
素養とも基礎ともなったものでした。 ですから皆それぞれ漢学の塾へ通い、長尾雨山....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
滑稽に思われた事もあったが、当人自身は一生懸命で、この失敗を来す所以は畢竟科学の
素養を欠くから応病与薬の適切な方法を案出する事が出来ないのだと考えて益々研究に深....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ったかった。島の文化は流罪人から非常な影響を受けたことは事実で、父も流人の漢学の
素養のある人から日本外史、十八史略などを教えられたそうだ。私は母とともに十三歳ま....