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素馨
「素馨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
素馨の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
》なんぞはめているね。
――ええ、何故?
Bの声 何でもないのさ。お前の髪は、
素馨《そけい》のにおいがするじゃないか。
――ええ。
Aの声 お前はまだふるえ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
上げていた。春の来去は適当な順序でなされていた。ライラックの花は終わりに近づき、
素馨《ジャスミン》の花は咲きそめていた。ある花が遅れていると、その代わりにある昆....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
も見たのか。そこには、奇矯のかぎりを尽す群神の嬌態がある。それとも、麝香、沈香、
素馨の香りに――熱帯の香気に眩暈を感じたのではないか。 いずれにせよ、八日間精....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
こから真紅の泉が、混々と湧き出して行くのである。しかも、その液汁の重さのためか、
素馨花の花冠が、次第に傾いて行って、やがて滴りはじめた、血滝の側から外れて行くで....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
花どもがいちどにドッと咲きだした。三色菫《パンセ》が頭をふりはじめると、まもなく
素馨とミモザがつづき、あとは薔薇、仏蘭西薊《シャルドンヌ》、錦葵、ミルトと花冷え....
「環礁」より 著者:中島敦
桃色の花が落ちていた。何処からか強い甘い匂の漂って来るのは、多分この裏にでも印度
素馨《インドそけい》が植わっているのだろう。その匂は今日のような日にはかえって頭....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
西洋人と中国人とはこれに反して非常に花香《かこう》を尊重《そんちょう》する。かの
素馨《そけい》〔ジャスミン〕などは大いに中国人に好かれる花の一つで、市場で売って....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
《マダム》、今年のお馬車の標題は何と申しますネ。※はい、「天国の夢」と申します。
素馨《ジャサント》の天使にリラの竪琴を飾るつもりでございますヨ。※では、手前は一....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
たろうか。――牛馬の骨皮を、じとじと踏むような奈落の床を。――裸の姿に――しかも
素馨の香に包まれて。 ――きみの前だが、その時タオルも棄てたから一糸も掛けない....