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索然
「索然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
索然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夏秋表」より 著者:立原道造
は、昨夜の冴えと張りを忘れた虫らが、しらべのみはおなじ唄を繰りかえしていた。私は
索然とした嫌悪を覚えた。しかし手は徒らに草の葉の向うをさぐりつづけた。 夏のは....
「ふもれすく」より 著者:辻潤
までに覚えのない位な弱り方をした。それで毎日煙草を吹かしては寝ころんでいた。興味
索然と、はなはだミサントロープになり、一切が癪にさわって犬が可愛らしく思われたり....
「狂乱」より 著者:近松秋江
いで、彼女を自分ひとりの所有にして楽しんでいる限りなき歓びが、そのためにたちまち
索然として、生命にも換えがたい大切な宝がつまらない物のような気持になった。しかし....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
腕が鈍くて材料のエディティングが拙ならば、一編の作品として見た映画はいわゆる興味
索然たるものであるに相違ない。実際に芭蕉がいかなる程度までこの監督の役目をつとめ....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
私の予期に反し、獄中で空想していたほど楽しいものではなかった。何と云うことなしに
索然たるものがあって、二人とも興に乗ることが出来なかった。時は過ぎ人は老いた、あ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
だけで、言葉は出なかった。 美沢は、新子の心の奥が、のぞかれたような気がして、
索然としてしまった。 こんなに緊張した空気の中へ、いつ戸外からはいって来たのか....
「空家の冒険」より 著者:ドイルアーサー・コナン
発見することは出来なかった。このもう旧聞である、物語を繰返すことは、あるいは興味
索然とするかもしれないがしかし審理の結果得られた事実を基として、ここに概括してみ....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
る感興を覚えられるであろう。虫喰い算は、一度や二度解いたから、そのあとはもう興味
索然とするような、そんな薄っぺらなものではない。こうして二度三度四度とやりかえす....
「決闘」より 著者:神西清
緒に暮らすのも、そんじょそこらのアンフィーサやアクーリナと一緒に暮らすのも、その
索然味においてなんら択ぶところはないのさ。これは断言するよ。相も変らぬアイロンの....
「うつす」より 著者:中井正一
れに見入るのであった。ようやくひるがえって他の一方の壁に王は視線を向ける。突如、
索然たる空気が人々を覆った。そこには何も描かれてはいなかったのである。王の顔色に....
「書記官」より 著者:川上眉山
。私は顔を見るのもいやです。せっかく楽しみにしてここへ来たに、あの男のために興味
索然という目に遇わされた。あんなものと交際して何の益がありましょう。あなたはまた....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
話が余りにまとまりよく、そして鮮かに引き結ばれたので、その後に残った却って興味
索然とした空白が四ツの顔をただまじまじさせた。 景子は切上げ時だと思って催促の....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
、暫らくしたら多年の抱懐や計画や野心や宿望が総て石鹸玉の泡のように消えてしまって
索然とするだろう。欧洲戦が初まる前までどころか、恐らく二、三年も露都に過ごしたら....
「百花園」より 著者:永井荷風
刷せられた都新聞の広告であったのに唖然として言う所を知らず、興趣|忽《たちまち》
索然として踵を回して去ったことがあった。 二三年前初夏の一日、神田五軒町通の一....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。)
もう疾うからそう思っていたが、わしは馬鹿だ。
今思えばいよいよ遅鈍で、興味
索然としている。
得業士
そう承れば嬉いです。兎に角自知の明がある。
今....