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索莫
「索莫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
索莫の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
い。不幸にして自分は城山《じょうざん》の公園に建てられた光栄ある興雲閣に対しては
索莫《さくばく》たる嫌悪《けんお》の情以外になにものも感ずることはできないが、農....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
える。 人情の世界から一段高い所に放り上げられ、大勢の臣下の中央にありながら、
索莫たる孤独を感じているのが、わが忠直卿であった。 こうした意識が嵩ずるにつれ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
がる砂煙りと、これだけの道具を列べただけでも大抵は想像が付くであろう。実に荒涼|
索莫、わたしは遠い昔にさまよい歩いた満洲の冬を思い出して、今年の春の寒さがひとし....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
ない。玄機は彼があったから、李の聘に応じたのである。此がなかったから、林亭の夜は
索莫であったのである。 既にして玄機は咸宜観に入った。李が別に臨んで、衣食に窮....
「惜別」より 著者:太宰治
のだが、周さんの姿は校庭にも、教室にも見受けられなかった。私はその日一日はなはだ
索莫たる気持で、いろんな先生の講義を聞いた。私は周さんほど痛切な目的を以て、この....
「古木」より 著者:豊島与志雄
たが、大きな転廻が感ぜられるだけで、将来の見通しは一向につきませんでした。そして
索莫たる月日を過すうち、病気に罹りました。 初めは、ちょっとした感冒だと思われ....
「「峠」という字」より 著者:中里介山
、希望があり、オアシスがあり、中心があり、要軸がある、人生の旅ははじめてその荒涼
索莫から救われる。 「峠」は人生そのものの表徴である、従って人生そのものを通して....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
あらば、諸君に対し、また父兄に対し、私は何と詫びることが出来るか。自分のかつての
索莫たる寄宿舎生活をかえりみて、少年諸君の寮の生活を家庭的にあたたかに、また清浄....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
きあがる砂煙と、これだけの道具を列べただけでも大抵は想像が付くであろう、実に荒凉
索莫、わたしは遠い昔にさまよい歩いた満洲の冬を思い出して、今年の春の寒さが一とし....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
る舞っている。あたりはやがてひんやりと野分《のわき》ふく秋の末のように、不思議な
索莫さに閉ざされてきた。これはただごとではないらしい。 私は爆弾、少なくとも一....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、庁内の皇居の守りに、わずか千余騎を、内に残していただけだった。 こうして何と
索莫な……。 逆にここの六波羅の府は、颱風の目をおもわせるようなひそまりをたた....