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紫
「紫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ぶりで、崋山渡辺登《かざんわたなべのぼる》が尋ねて来た。袴羽織《はかまはおり》に
紫の風呂敷包《ふろしきづつ》みを小脇《こわき》にしているところでは、これはおおか....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
あた」と仰有《おっしゃ》るばかり、あまつさえ御身《おみ》のうちは、一面に気味悪く
紫立って、御褥《おしとね》の白綾《しろあや》も焦げるかと思う御気色《みけしき》に....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
いかなる姿を致して居《お》るぞ。」
吉助「われら夢に見奉るえす・きりすと様は、
紫の大振袖《おおふりそで》を召させ給うた、美しい若衆《わかしゅ》の御姿《おんすが....
「影」より 著者:芥川竜之介
であった。――と云うよりもむしろさっきまでは、房子だった「物」であった。この顔中
紫に腫《は》れ上った「物」は、半ば舌を吐いたまま、薄眼《うすめ》に天井を見つめて....
「河童」より 著者:芥川竜之介
もその手を使うのがあります――」
社長のゲエルは色硝子《いろガラス》の光に顔中
紫に染まりながら、人なつこい笑顔《えがお》をして見せました。
「わたしはこの間も....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
指環じゃないか。」
なるほど趙生《ちょうせい》が指さした几《つくえ》の上には、
紫金碧甸《しこんへきでん》の指環が一つ、読みさした本の上に転がっている。指環の主....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
行方を占って頂きたいと云った。
すると老人は座敷の隅から、早速二人のまん中へ、
紫檀《したん》の小机を持ち出した。そうしてその机の上へ、恭《うやうや》しそうに青....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
、御隠居様。」と、必死の涙声を挙げ始めました。けれども祖母は眼のまわりにかすかな
紫の色を止《とど》めたまま、やはり身動きもせずに眠っています。と間《ま》もなくも....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
を受けた。しかも一人は眉間《みけん》のあたりを、三右衛門は左の横鬢《よこびん》を
紫色に腫《は》れ上《あが》らせたのである。治修はこの二人を召し、神妙の至りと云う....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
咲いていた嫁菜《よめな》の花を摘み取っては、一斉《いっせい》に彼へ抛りつけた。薄
紫の嫁菜の花は所嫌わず紛々と、素戔嗚尊の体に降りかかった。彼はこの※《におい》の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
黄色い土煙《つちけむり》を揚げた。その土煙の舞い上《あが》る合間《あいま》に、薄
紫の光が迸《ほどばし》るのも、昼だけに、一層悲壮だった。しかし二千人の白襷隊《し....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
しました。
すると間もなく煙客翁は、庁堂《ちょうどう》へ案内されました。ここも
紫檀《したん》の椅子《いす》机が、清らかに並べてありながら、冷たい埃《ほこり》の....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ものは、彼に荊棘《いばら》の冠《かんむり》を頂《いただ》かせた。あるものは、彼に
紫の衣《ころも》を纏《まと》わせた。またあるものはその十字架《くるす》の上に、I....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
する。時によると、ポタシウムの切れを水に浮べてやったり、あるいはこれを焔に入れて
紫の光を出して、見せてやったりする。 もし外国の学者でも来て名刺を通ずると、フ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
茶色と黄色につつまれ、優美な木々は霜にうたれて、ちらほらと輝かしいオレンジ色や、
紫色や、また真紅にそまっていた。鴨は列をつくって空高く飛びはじめ、栗鼠の鳴く声が....