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紫衣
「紫衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紫衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
た》い、人は色に趁《はし》る。狗と人とはこの点においてもっとも鋭敏な動物である。
紫衣《しい》と云い、黄袍《こうほう》と云い、青衿《せいきん》と云う。皆人を呼び寄....
「「享楽座」のぷろろぐ」より 著者:辻潤
した この時 痴呆の如き色情狂者は 賢くも「○○」のカツレツを吐き出して 阿片の
紫衣をまとい 王者の姿に扮して 享楽座の舞台に登場するのである 畢竟 彼の「市場....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
十番随筆』所収) 旅すずり 川越の喜多院に桜を観る。ひとえはもう盛りを過ぎた。
紫衣の僧は落花の雪を袖に払いつつ行く。境内の掛茶屋にはいって休む。なにか食うもの....
「柳毅伝」より 著者:田中貢太郎
巻かれて宮門の方から出てきた。 「王様だ」 武士はあわてて走って行って迎えた。
紫衣の貴人は静かに入ってきた。毅は洞庭君だと思ったのでうやうやしく拝をした。 「....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
名寄
九月十九日。朝|神居古潭の停車場から乗車。金襴の袈裟、
紫衣、旭川へ行く日蓮宗の人達で車室は一ぱいである。旭川で乗換え、名寄に向う。旭川....
「連環記」より 著者:幸田露伴
本の国体に嘆美|措く能わず、又寂照の風神才能に傾倒の情を発して、大にこれを悦び、
紫衣束帛を賜わり、上寺にとどめ置かせたまいて号を円通大師と賜わった。前世因縁値遇....
「盈虚」より 著者:中島敦
。渾良夫《こんりょうふ》はもともと小姓上りとて派手好みの伊達男である。此の日彼は
紫衣に狐裘《こきゅう》を重ね、牡馬二頭立の豪奢な車を駆って宴に赴いた。自由な無礼....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
す」 翌日蕃使を入朝せしめた。 皇帝を真中に顯官が竝んだ。 紗帽を冠り、白
紫衣を着け、飄々と李白が現われた。勿論微醺を帯びていた。 座に就くと筆を握り、....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
たえ、また、これらの主かと思われる一人の男は、輿をつれているが、それには乗らず、
紫衣金襴の僧正すがたをほこらかに、でんと、黒鹿毛の背にまたがっていた。 「ははあ....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
寛永五年師五十二歳、堀尾|吉晴の女婿たる石川|忠総の外護により、法山に瑞世し、
紫衣を賜り、爾来諸国|餉参の衲子、師の道風をしたひその会裡に集るもの無慮―― ....