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紫金
「紫金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紫金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
指環じゃないか。」
なるほど趙生《ちょうせい》が指さした几《つくえ》の上には、
紫金碧甸《しこんへきでん》の指環が一つ、読みさした本の上に転がっている。指環の主....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
る。仏鷲頭山に在った時|波羅奈《はらな》王の輔相一男児を生むに三十二相備わり満身
紫金色で相師感嘆す、その母素性良善ならず、しかるにこの子を姙んでより慈悲厚くなる....
「旅愁」より 著者:横光利一
る下に、黄色な僧服の隠見した島で、霽れ間に空に立のぼった夕茜のひとときの麗しさ、
紫金色のむら雲舞い立つその凄じい見事さにあッと愕き仰ぐ幻に似た荘厳幽麗な天上の色....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
るなり、順帝の至元三年、汝寧《じょねい》より獲るところの捧胡を献ず、弥勒仏小旗、
紫金印の量天尺あり、而して泰定帝の時、また先に息州の民|趙丑斯《ちょうちゅうし》....
「五通」より 著者:田中貢太郎
がり、きちんと着ていた衣服を緩めて、臂にはめている腕釧をあらわした。それは条金で
紫金の色をした火斉珠をとおして、それに二つの明珠をはめこんだものであった。燭を消....
「北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
なり、内城の中央に、その六分の一に当る広さの旧皇城がある。そして旧皇城の中に、旧
紫金城の殿堂が聳えている。その黄瓦朱壁の宏壮な堂宇は、北京全市を翼下に納むるの概....
「北支点描」より 著者:豊島与志雄
、一日を要するほどである。 それらの主な記念的建築のうち、最も有名な万寿山も旧
紫金城も、その風趣に於ては、さほど有名でない天壇に及ばない。天壇のうちでも殊にそ....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
を憐れむもの、太廟の林に自然棲息してる鷺を羨むものなどがありました。或る詩には、
紫金城の堂宇が黄金色の甍で人目をくらましながら、その投影で北京全市を蔽っているこ....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
。然し私は、北京には三年ばかりいたきりで、大して面白い話を持ち合わせてもいない。
紫金城、万寿山、天壇、公園、市場、芝居、槐の並木……そんなことばかりで、それもも....
「接吻」より 著者:神西清
の礼を返すと、見覚えのある小径づたいにそろそろ下りて行った。 対岸の空は一めん
紫金いろに染まっていた。月が出るのである。どこかの百姓女が二人、大きな声で話し合....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
絵の山水をおもわせ、模糊として麗わしかった。 唐子童子 南京の
紫金山というのは、私の泊っていた宿の窓のところからちょうど額縁にはまったように見....
「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
ナは、疲労と頭痛とにふらふらしながらも、急いで毛皮の縁取りのついた新調の素晴しい
紫金色の化粧着を引っかけ、手早にどうにか髪をつくろった。彼女は言いようのない心の....
「三国志」より 著者:吉川英治
たちは。 朱地錦の百|花戦袍を着たうえに、連環の鎧を着かさね、髪は三叉に束ね、
紫金冠をいただき、獅子皮の帯に弓箭をかけ、手に大きな方天戟をひっさげて、赤兎馬も....
「三国志」より 著者:吉川英治
一同、勝鬨の声をあわせて、万歳を三唱した頃、長江の水は白々と明け放れ、鳳凰山、
紫金山の嶺々に朝陽は映えていた。 孫策は、即日、法令を布いて、人民を安んじ、秣....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、飛んでる。」 岩壁の縁が、縁から、はがれて、飛ぶ、飛ぶ、 白光、 赤光、
紫金光。 閃々光だ。 「あ、啼いてるようだな。」 飛沫、飛沫、 「こりゃひど....