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「紫黒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紫黒の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
梓川の上流」より 著者:小島烏水
山などは、傾斜が急なのと外気に曝《さら》されているので、雪は蓮華山ほどにはない、紫黒色の大岩が、脚下に吼《ほ》える水に脚を洗わせて、ここのみは冬の雪壁動くかと見....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
引いた。脚が弱々しく細かった。木箱の中のマッチが、すれて、発火してしまったのだ。紫黒の煙が、六百打詰の木箱から、四方へ、大砲を打ったように、ぱあッとひろがった。....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
うなずいた。 象牙の篦を結び付けた暗褐色の紐を解いて巻物をすこしばかり開くと、紫黒色の紙に金絵具で、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常....
簔虫と蜘蛛」より 著者:寺田寅彦
しばしば切り損じて上すべりをした。やっと取り出した虫はかなり大きなものであった、紫黒色の肌がはち切れそうに肥っていて、大きな貪欲そうな口ばしは褐色に光っていた。....
十二支考」より 著者:南方熊楠
一英人が、『本草綱目』に蒙頌《もうしょう》一名|蒙貴《もうき》は尾長猿の小さくて紫黒色のもの、交趾《こうし》で畜うて鼠を捕えしむるに猫に勝《まさ》るとあるを見て....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
イチジクは、葉の分裂の少ない型の種でこれに二つの品種があり、すなわちその一は果皮紫黒色、肉白き黒イチジク、その二は果皮白色で微紫色を帯び、肉淡紅の白イチジクであ....