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細引き
「細引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「癩」より 著者:島木健作
けて血だらけになり、何かわけのわからぬことを金切り声にわめきながら荒れまわった。
細引きが肉に食い入るほどに手首をしばり上げられ、ずたずたに引き裂かれた囚衣から露....
「ネギ一束」より 著者:田山花袋
憎まれ、若い衆に打たれ、菓物を盗んだといっては、追いかけて捉えられて、路傍の門に
細引きでくくり付けられ、あるいは長い物干竿で、走る背なかを撲たれて、路上に倒れて....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
ほどの刀の束ねたのを地面に置いて、それと共に、駕籠の屋根から取り下ろした長い太い
細引きを、見物のほうへ差し出した。 「お女中は、こうして駕籠の中にはいっておる。....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
て瞬く間に六七人の仲間を引きつれて来ると、一人が納屋から古俵を持ち出す、他の者が
細引きを引きずり出す、枯木を集めるもの、火打石をさがすもの、見る見るうちに、何だ....
「庭の追憶」より 著者:寺田寅彦
もかまわず父は合羽を着て下男と二人で、この石燈籠のわきにあった数本の大きな梧桐を
細引きで縛り合わせた。それは木が揺れてこの石燈籠を倒すのを恐れたからである。この....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ている女中は、逃げだしたい気もち。
面ずれ、大たぶさ、猪首《いくび》に胸毛――
細引きのような白い羽織の紐が、詩を吟ずる。
玄心斎は、とうとう呶声《どせい》を....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
うえ》は、女将お美野の寝床になっている。だからお美野は、じぶんの居間の縁側から、
細引きで、階下の初太郎の縁のそとへ吊り下っているわけで、首吊は、初太郎のほうへ背....