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「細微〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

細微の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
る思いがしている。こういう時には必ず他の強い勢力を感じやすい。おとよの念力が極々細微な径路を伝わって省作を動かすに至った事は理屈に合っている。 「おとよさんは、....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ルに代る何物かと云いたいんだ。どうして、その本体を突き詰めるまでには、まだまだ繊細微妙な分析的神経が必要なんだよ」と彼の表情に、みるみる惨苦の影が現われてゆき、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
じまって以来の政治上の大改革を行う、この精神と、方法と、手段と、順序を、大所から細微に至るまで、ああも大胆に、且つ周到に包蔵しているあの頭は大したもので、そう思....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
ましょう。そのご心配には及びませぬよ……」 と、ここまで云って来て幸蔵主は、繊細微妙な笑い方をしたが、 「お疑いさえ晴れましたら、貴郎様には直ぐにもご帰洛、こ....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
となることは、既に述べたところである。一切の最も高貴な天才の発揮と一切の霊魂の繊細微妙な発情とを、実際文明社会を未開社会から区別するあらゆるものを、吾々が今日得....
日記」より 著者:宮本百合子
良人の場席を多くあけて居るのは事実であるらしいのを感じる。女性の本能なのだろう。細微な感情ではあるが、女性は、その tenderness を踏まれた時には、大き....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
られて容易に寐ることが出来ない、故に茶趣味あるものに体屈ということはない、極めて細微の事柄にも趣味の刺激を受くるのであるから、内心当に活動して居る、漫然昼寝する....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
花すなわち裸の卵子である。この卵子にはその頂点にじつに針の先きで突いたよりもなお細微な一つの孔があって、その飛び来る花粉を具合よくその孔へキャッチするのである。....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
答へんのみ。いはんや泰西人の浮世絵に関する審美的工芸的研究は既に遠く十年以前全く細微に渉《わた》りて完了せられたるにおいてをや。 四 余は既に幾度《いくたび》....
絵筆に描き残す亡びゆく美しさ」より 著者:上村松園
ろは大変柄があらくなってきました。 私は、明治の初めから十五、六年ごろの風俗を細微にわたってはっきりと覚えていますが、今のうちにこの亡びゆく美しさを絵に残して....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
平安朝期の仮名の系脈をひいた風趣すらみえる。仮名の書家といわれる神郡晩秋氏などの細微な観賞にただすと、武蔵の仮名はあきらかに近衛三藐院の影響をうけているといって....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
近だけに、多くの大切な暗示がまだ残っておりそうなのである。だから新たにその持前の細微な注意力をもって、捜そうとすれば大いに見つかるかも知れぬのである。しかしただ....