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「細根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

細根の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
の頬《ほっ》ペタの赤い下女が俎《まないた》の上で糠味噌《ぬかみそ》から出し立ての細根大根《ほそねだいこん》を切っている。「御早よう、何はどうだ」と聞くと驚いた顔....
深夜の市長」より 著者:海野十三
灯のせいもあるであろうが、顔色は黄疸ではないかと思われるほど真ッ黄色だった。鼻は細根の乾し蘿蔔を思わせるように、痩せて乾枯らびていた。下眼瞼はだらりと垂れて、刷....
雛妓」より 著者:岡本かの子
とにした。よしやわざくれ、作品のモチーフとなる切情に殉ぜんかなと) からし菜、細根大根、花菜漬、こういった旬の青味のお漬物でご飯を勧められても、わたくしは、ほ....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
《であ》う。螺《さざい》の壺々口《つぼつぼぐち》に莞然《にっこ》と含んだ微笑を、細根大根に白魚《しらうお》を五本並べたような手が持ていた団扇で隠蔽《かく》して、....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
事場と風呂桶をおくところがあって、炭や薪が田舎らしく積みあげられている。小松菜と細根大根が、ぬいたままで、へっついわきに放り出してある。その明るく簡素な生活の仕....
小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
文字は俗なるゆえ、これに代るに蘿蔔《らふく》の字を用いんという者あり。なるほど、細根《ほそね》大根を漢音《かんおん》に読み細根《さいこん》大根といわば、口調も悪....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
と、あきれたのである。一社という巨木に似た経営の根には、ぼくらの知らない地表下の細根がどれほどかくれているものやらわからない。よく植木屋がいっていた。こう見上げ....
舌のすさび」より 著者:吉川英治
らげです』と、仰っしゃった。 老舌の持ち主はどうやらみんなこんな風らしい。夏の細根大根が出はじめると、わたしは大根の茎のぬかみそ漬を好んでお新香に添えさせる。....