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細目
「細目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
ルの音は玄関の硝子《ガラス》戸の中に電燈をともした。それから年をとった女中が一人
細目に硝子戸をあけて見た後《のち》、「おや……」何《なん》とか間投詞《かんとうし....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
顔が眼に見えるような心もちがします。三浦は子供のような喜ばしさで、彼の日常生活の
細目《さいもく》を根気よく書いてよこしました。今年は朝顔の培養《ばいよう》に失敗....
「貉」より 著者:芥川竜之介
、母親はよく寝入っているらしい。そこで、そっと床《とこ》をぬけ出して、入口の戸を
細目にあけながら、外の容子《ようす》を覗いて見た。が、外はうすい月と浪の音ばかり....
「老年」より 著者:芥川竜之介
》だぜ。」
「年をとったって、隅へはおけませんや。」小川の旦那もこう云いながら、
細目にあいている障子の内を、及び腰にそっと覗きこんだ。二人とも、空想には白粉《お....
「運」より 著者:芥川竜之介
計って、相手の寝息を窺《うかが》いながら、そっと入口まで這《は》って行って、戸を
細目にあけて見ました。外にも、いい案配に、人のけはいはございませぬ。――
「ここ....
「或る女」より 著者:有島武郎
。湯でほんのりと赤らんだ素足に古藤の目が鋭くちらっと宿ったのを感じながら、障子を
細目にあけて手をならした。
葉子はその晩不思議に悪魔じみた誘惑を古藤に感じた。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
まま、片手で不精らしくとんとんと枝折戸を叩くと、ばたばたと跫音聞えて、縁の雨戸が
細目に開いた。 と派手な友染の模様が透いて、真円な顔を出したが、燈なしでも、そ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
をざらざらと潜って行く。 境は、しかし、あとの窓を閉めなかった。もちろん、ごく
細目には引いたが。――実は、雪の池のここへ来て幾羽の鷺の、魚を狩る状を、さながら....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
っとするから閉めて行く、帰りがけにはちゃんと開けてあった。それを見た人は色々で、
細目の時もあり、七八分目の時もあり、開放しの時もあった、と言う。 さて、そのと....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
泣いているのか。――私は……」 「ああれ、旦那さん。」 と、厠の板戸を、内から
細目に、小春の姿が消えそうに、 「私、つい、つい、うっかりして、あのお恥かしくっ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、裏桟に、白いものが一条、うねうねと伝っている。」 「…………」 「どこからか、
細目に灯が透くのかしら?……その端の、ふわりと薄※ったい処へ、指が立って、白く刎....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
た。九段第一、否、皇国一の見世物小屋へ入った、その過般の時のように。 しかし、
細目に開けた、大革鞄の、それも、わずかに口許ばかりで、彼が取出したのは一冊赤表紙....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ない。 で、もう一間と※すと、小庭の縁が折曲りに突当りが板戸になる。……そこが
細目にあいた中に、月影かと見えたのは、廂に釣った箱燈寵の薄明りで、植込を濃く、む....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
く気勢。女房も、思案に落した煙管を杖。斉しく見遣った、台所の腰障子、いつの間にか
細目に開いて、ぬうと赤黒い脛が一本。赤大名の城が落ちて、木曾殿打たれたまいぬ、と....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
知れない。」 父「何しろ変りも変ったからね。そら、昔は夕がたになると、みんな門を
細目にあけて往来を見ていたもんだろう?」 母「法界節や何かの帰って来るのをね。」....