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細腕
「細腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
それも関取が附いていればようございますが、関取もいず、して見れば敵が分っても女の
細腕では敵に返討《かえりうち》になりますからねえ、又それ程|何方《どなた》にも此....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
うぞ」 そう呶鳴ると丘田医師は忽ち身を翻して、傍の棕櫚の鉢植に手をかけた。彼の
細腕は、五十キロもあろうと思われるその重い鉢植を軽々ともちあげて、頭上にふりかぶ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
「敵は此の一村隔いて隣村に居ります、僅に八里山を越すと、現に敵が居りながら、女の
細腕で討つことが出来ません、先方は浪人者で、私の父は杣をいたして居りましたが、山....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
さて重二郎は母の眼病|平癒のために、暇さえあれば茅場町の薬師へ参詣を致し、平常は
細腕ながら人力車を挽き、一生懸命に稼ぎ、僅かな銭を取って帰りますが、雨降り風間に....
「縮図」より 著者:徳田秋声
ことを覚え、間もなく手間賃をもらい、家の暮しを助けることができたが、やがて彼女の
細腕では持ちきれない時が来た。 やがて皮削ぎ庖丁や縫針で、胼胝の出来た手で、鼓....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
女ながらも仇を討たぬと云う事はないと心掛けても、何うも相手は立派な士であり、女の
細腕では討つ事ならず、誰を助太刀に頼もう、親切な人はないかと思う処へ、親しく出入....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
あります。何、こそこそと、鼠あるきに、行燈形の小な切籠燈の、就中、安価なのを一枚
細腕で引いて、梯子段の片暗がりを忍ぶように、この磴を隅の方から上って来た。胸も、....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
ら若しも敵が知れましたら、藤川さん貴方も以前はお旗下ではありませんか、たとえ女の
細腕でも武士の家に生れた私です、一生懸命になりますから、助太刀して、屹度知れたら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《にんてい》ではありません。忠作が始末をしている葛籠のところへ来て、黙って忠作の
細腕をムズと掴んで捻《ね》じ倒すと同時に、一人の男はその葛籠を軽々と背負って立ち....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
げる」
と、むりやりにお婆さんが、与八をしゃがませてしまいました。
お婆さんの
細腕で、与八をしゃがませることができようはずはないのですが、お婆さんの言うことが....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
内の人民も大へん私に対して親切にかばってくれました。――が、何を申しましても女の
細腕、力と頼む一|族郎党の数もよくよく残り少なになって了ったのを見ましては、再挙....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
次郎にとっての困難は、灰汁入れの瞬間だった。この大事な瞬間になると、さすがに彼の
細腕では、どうにもならなかった。で、彼は、その時になると、いつも隣の誰かに擂古木....
「火の扉」より 著者:岸田国士
うですかしら? あたしは、だれにも助けをもとめるようなことはしないつもりですわ。
細腕でもなんでも、自分の生きる力で解決できると思うの。兄さんが生きていらしつても....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
門を討った仇は何者か存じませんが、相手は侍に相違ないと存じますから、とても女子の
細腕で仇を討つことは出来ませんから、何うぞお助太刀下さるように是のみ頼み入るとい....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
いものやらわからず、夜の帰宅時間は定まらないし──こんな夫の世話をよくも妻はあの
細腕でなしとげたものであった。 この妻の労苦に対して私の報いたのは、ただ雑誌に....