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細長い
「細長い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
細長いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
と云うのは何だろう?」
たまたまこの家の前を通りかかった、髪の毛の長い画学生は
細長い絵の具箱を小脇《こわき》にしたまま、同じ金鈕《きんボタン》の制服を着たもう....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ちびる》の上から顋《あご》の下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば
細長い腸詰《ちょうづ》めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているのであ....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
で書く。あの事務室の廊下に面した、ガラス障子《しょうじ》をはずして、中へ図書室の
細長い机と、講堂にあるベンチとを持ちこんで、それに三人で尻《しり》をすえたのであ....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
人が炉のかたわらに近づいた。汗でぬれた肌《はだ》が露を置いたように光って見える。
細長い鉄の棒で小さな炉の口をがたりとあける。紅に輝いた空の日を溶かしたような、火....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
に、我々はもう風中を先に、狭い店の中へなだれこんでいた。
店の中には客が二人、
細長い卓《たく》に向っていた。客の一人は河岸の若い衆、もう一人はどこかの職工らし....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
うに輝いて、紫がかった鉛色の陰を、山のすぐれて高い頂にはわせている。山に囲まれた
細長い渓谷は石で一面に埋められているといってもいい。大きなのやら小さなのやら、み....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
また斜《はす》かいに、「ホット(あたたかい)サンドウィッチもあります」と書いた、
細長い紙が貼《は》りつけてあった。(これを彼の同僚の一人は「ほっと暖いサンドウィ....
「或る女」より 著者:有島武郎
高いダブル・カラーの前だけをはずして、上着を脱ぎ捨てた船医らしい男が、あたふたと
細長いなま白い顔を突き出したが、そこに葉子が立っているのを目ざとく見て取って、あ....
「或る女」より 著者:有島武郎
れて、前からのみ来る光線のために鼻筋は、ギリシャ人のそれに見るような、規則正しく
細長い前面の平面をきわ立たせ、潤いきった大きな二つのひとみと、締まって厚い上下の....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
く遠く荒涼として拡《ひろ》がっていた。眼を遮《さえぎ》るものは葉を落した防風林の
細長い木立ちだけだった。ぎらぎらと瞬《またた》く無数の星は空の地《じ》を殊更《こ....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
萄の一房をもぎ取って、真白《まっしろ》い左の手の上に粉のふいた紫色の房を乗せて、
細長い銀色の鋏《はさみ》で真中《まんなか》からぷつりと二つに切って、ジムと僕とに....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
ぷりちゃぷりと小さな波が波打際《なみうちぎわ》でくだけるのではなく、少し沖の方に
細長い小山のような波が出来て、それが陸の方を向いて段々|押寄《おしよ》せて来ると....
「星座」より 著者:有島武郎
、きゅうに気息《いき》苦しそうにきしみ始めていた。と思う間もなく突然暗い物隅から
細長い鉄製らしい棒が走りでて、眼の前の鐘を発矢《はっし》と打った。狭い機械室の中....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
アプスは寒く淋しく暗み亘っていた。ステインド・グラスから漏れる光線は、いくつかの
細長い窓を暗く彩って、それがクララの髪の毛に来てしめやかに戯れた。恐ろしいほどに....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なければならない。それにしてもラプラスが、ビュッフォンは彗星軌道の非常に離心的で
細長いことを説明することができなかったろうと言っているのは了解に苦しむことである....