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「細面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

細面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
す。年は私と同じ二十五でしたが、あの芳年《よしとし》の菊五郎のように、色の白い、細面《ほそおもて》の、長い髪をまん中から割った、いかにも明治初期の文明が人間にな....
路上」より 著者:芥川竜之介
前には鉄格子《てつごうし》の窓があって、その窓から洩れて来る光が、冷やかに令嬢の細面《ほそおもて》を照らしていた。俊助《しゅんすけ》はこの病室の戸口に立って、窓....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
のも、さらに不思議はありません。色の白い、鼻筋の透った、生際《はえぎわ》の美しい細面で、殊に眼が水々しい。――が、どこかその顔立ちにも、痛々しい窶《やつ》れが見....
或る女」より 著者:有島武郎
なかった。黒い髪の毛をぴったりときれいに分けて、怜《さ》かしい中高《なかだか》の細面《ほそおもて》に、健康らしいばら色を帯びた容貌《ようぼう》や、甘すぎるくらい....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
坐っていた。その娘は二、三年前から函館に出て松川の家に奉公していたのだ。父に似て細面《ほそおもて》の彼女は函館の生活に磨きをかけられて、この辺では際立って垢抜《....
星座」より 著者:有島武郎
を感ずるにつけていつまでも思うのは、おぬいが十四の時に亡くなった父のことだった。細面で痩《や》せぎすな彼女の父は、いつでも青白い不精髯《ぶしょうひげ》を生やした....
婦系図」より 著者:泉鏡花
。 「その母様と云うのは、四十余りの、あの、若造りで、ちょいとお化粧なんぞして、細面の、鼻筋の通った、何だか権式の高い、違って?」 「まったく。どうして貴女、」....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
あたり、雲低き柳の帳に立って、朧に神々しい姿の、翁の声に、つと打向いたまえるは、細面ただ白玉の鼻筋通り、水晶を刻んで、威のある眦。額髪、眉のかかりは、紫の薄い袖....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
で、優柔しく頬被りを取った顔を、と見ると迷惑どころかい、目鼻立ちのきりりとした、細面の、瞼に窶は見えるけれども、目の清らかな、眉の濃い、二十八九の人品な兄哥であ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
。膚をいえば、きめが細く、実際、手首、指の尖まで化粧をしたように滑らかに美しい。細面で、目は、ぱっちりと、大きくないが張があって、そして眉が優しい。緊った口許が....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
に、よう似てござらっしゃる、との事でなす。」…… ただこの観世音の麗相を、やや細面にして、玉の皓きがごとく、そして御髪が黒く、やっぱり唇は一点の紅である。 ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。黒き毛、白髪の塵ばかりをも交えぬを、切髪にプツリと下げた、色の白い、艶のある、細面の頤尖って、鼻筋の衝と通った、どこかに気高い処のある、年紀は誰が目も同一……....
黒百合」より 著者:泉鏡花
涼から出懸けたのであろう、帽は被らず、髪の短かいのが漆のようで、色の美しく白い、細面の、背のすらりとしたのが、片手に帯を挟んで、俯向いた、紅絹の切で目を軽く押え....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ます。私の祖父の年齢でございますか――たしか祖父は七十|余りで歿りました。白哲で細面の、小柄の老人で、歯は一|本なしに抜けて居ました。生前は薄い頭髪を茶筌に結っ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
なっている。その都度秘蔵娘のお桂さんの結綿島田に、緋鹿子、匹田、絞の切、色の白い細面、目に張のある、眉の優しい、純下町風俗のを、山が育てた白百合の精のように、袖....