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「紳商〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

紳商の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
誰も知らぬ」より 著者:太宰治
りと東京に出て来て半分政治家、半分商人のような何だか危かしいことをやって、まあ、紳商とでもいうのでしょうか、それでも、どうやら成功して、中年で牛込のこの屋敷を買....
疲労」より 著者:国木田独歩
京橋区|三十間堀《さんじっけんぼり》に大来館《たいらいかん》という宿屋がある、まず上等の部類で客はみな紳士紳商、電話は客用と店用と二種かけているくらいで、年じゅう十二三人から三十人までの....
野分」より 著者:夏目漱石
ん》の公正なる人格を失うとき、天下一段の光明を失う。公正なる人格は百の華族、百の紳商《しんしょう》、百の博士をもってするも償《つぐな》いがたきほど貴《たっと》き....
赤外線男」より 著者:海野十三
りましたよ。江戸川乱歩さんの有名な小説に『陰獣』というのがありますが、あの内容に紳商小山田夫人静子が、平田一郎という男から脅迫状を毎日のように受けとる件がありま....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
たのほかに幾十のお客がある。それらの人のなかにはもっとお金のある、歴々の、立派な紳商や武家もありましょう。それらの人をさしおいて、特別に女があなたに心を寄せると....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
山木兵造というはいずこの人なりけるにや、出所定かならねど、今は世に知られたる紳商とやらの一|人なり。出世の初め、今は故人となりし武男が父の世話を受けしこと少....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
く、この初期資本主義によって個人=個性の自覚も亦発生した。かくてメジチ家其の他の紳商によって、芸術家が養成されることになり、従来のギルドの徒弟上りに過ぎなかった....
」より 著者:寺田寅彦
客の迷惑する事も時にはある。この婆さんから色々の客の内輪の話も聞かされた。盗賊が紳商に化けて泊っていた時の話、県庁の役人が漁師と同腹になって不正を働いた一条など....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
思いであった。結婚したてのころとちがって、正司を訪ねてくる人は、立派な大紳士、大紳商という見るからに威風堂々たる人々で、正司はそれらの人々と何のヒケ目もなく談議....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
私を認めたらしい。唇の間から義歯を見せた。紳士にも私は見覚えがあった。当市一流の紳商であった。新聞雑誌で知っていた。六十を過ごした老人で精力絶倫と好色とで、世間....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
楽を事とするは。 社会問題攻究論者などは、口を開けば官吏の腐敗、上流の腐敗、紳士紳商の下劣、男女学生の堕落を痛罵するも、是が救済策に就ては未だ嘗って要領を得た提....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
会で、日頃|大達者と立てられてその名前は家々の守護神の様に人の口に膾炙している大紳商、大紳士も、様は無い。常はその限り無き富を以て、金力を以て、羨まれ、敬慕せら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いうことで、私は正金銀行支店長の松倉吉士という方の宅へ招かれて、在留日本人の紳士紳商の方々のために一夕チベット談を致し、それから一回アジア学会会員の招きに応じ英....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
の子孫でも、運と努力とでは大臣にも大将にもなれる世の中です。社会に一流の紳士とも紳商ともなりうる世の中です。しかるにひとりいわゆる部落の人々のみは、いかに修養を....
山椒魚」より 著者:北大路魯山人
ろうが、山椒魚は山にも登るものとみえる。さて、この時は大阪でも一流と言われる骨董紳商の面々にご馳走したのであるが、なんでも知っていそうな通人の多い骨董屋にもかか....