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紺糸
「紺糸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
紺糸の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
取り囲んでいた。そのなかには三浦介義明も木蘭地《もくらんじ》の直垂《ひたたれ》に
紺糸の下腹巻をして、中黒藤《なかぐろとう》の弓を持って控えていた。三浦の党は上洛....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
と、嬉《うれ》しいよりもかえっておかしい心持の方が敬太郎を動かした。 「じゃこの
紺糸で地道《じみち》を踏んで行けば、その間にちらちら派手な赤い色が出て来ると云う....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
はげましていた。時に年四十一歳。 この日、越の主将上杉輝虎(本当はまだ政虎)は
紺糸縅の鎧に、萌黄緞子の胴|肩衣をつけ、金の星兜の上を立烏帽子白妙の練絹を以て行....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
戸棚も見える。 前の広庭には高い物干し竿が幾列びにも順序よく並んでいて、朝から
紺糸がずらりとそこに干しつらねられる。糸を繰る座繰りの音が驟雨のようにあっちこっ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
藤新の店先へ立寄って腰を掛け、列べてある刀を眺めて。 侍「亭主や、其処の黒糸だか
紺糸だか知れんが、あの黒い色の刀柄に南蛮鉄の鍔が附いた刀は誠に善さそうな品だな、....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
た。元よりうろおぼえの口から出任せではあったけれど。 カチン、カチン。 「……
紺糸龍胴の鎧、白木綿に梵字を認めたる行者衣を鎧の上に投げかけられ、三尺の青竹を手....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
名を成してよいでありましょう。手帚も長柄のも共に作りますが、形に特色がある上に、
紺糸で綺麗に草を編むので、品のある品であります。それに柄は多く焼杉を用いますので....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
しは」と、嘉治さんは杉本画伯と共に鎧の前にたたずむこと久しい。それは伝平ノ重盛の
紺糸縅しと隣り合っていた。ぼくは背中合せに、同じ人、小松重盛が納めた物という青貝....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
。なお見張を忘るな。異状が見えたら刻々に告げて来い」 具足櫃を開けて、親譲りの
紺糸縅しの一番を着込むのと、侍部屋の方へ向って股肱の面々を呼び立てるのを彼は同時....