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終身
「終身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
終身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
上がって全く無感情な顔つきをしながら、もう一度|戸棚《とだな》に行って、倉地が始
終身近に備えているピストルをあちこちと尋ね求めた。しまいにそれが本箱の引き出しの....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
言い開きは立たず、死刑とは極ったが唯|丁年《ていねん》未満で有った為一等を減じて
終身の禁錮《きんこ》になり、四年ほど牢の中に苦しんで終に病死した、其の女の名は確....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
いられない。 君が一人の漁夫として一生をすごすのがいいのか、一人の芸術家として
終身働くのがいいのか、僕は知らない。それを軽々しく言うのはあまりに恐ろしい事だ。....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
内園長の認識標なんです。しかも園長の身体を焼くとか、溶かすかしなければ出て来ない
終身の認識標なんです」 「そんな出鱈目は、よせ!」 鴨田が蒼白にブルブルと慄え....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
に湧出る涙は能く陪審員の心を柔げ倉子は関係無き者と宣告せられ生田は情を酌量し懲役
終身に言渡されたり。 藻西太郎は妻に代りて我身を捨んとまで決心したる男なれば倉....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
たために、その雑夫は風邪をひき、それから肋膜を悪くしていた。寒くないときでも、始
終身体をふるわしていた。子供らしくない皺を眉の間に刻んで、血の気のない薄い唇を妙....
「獄中記」より 著者:大杉栄
しい獄友になった三人の男がある。 一人は以前にも強盗殺人で死刑の宣告を受けて、
終身懲役に減刑されて北海道へやられている間に逃亡して、また強盗殺人で捕まって再び....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
僕は本当にどうにかして病人になりたいと思った。もし五年とか、十年とか、あるいは
終身とかいうような刑ではいった時には、僕はこの病人のほかには僕の生きかたがあるま....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
が、「万象ヲ鑒識スルノ興奮ハ視官ニ於テ最盛ナリ。光線ノ発射ト色沢ノ映昭トハ吾人ノ
終身求メテ已マザル所ナリ。耳モ亦之ニ同ク、響ト音トハ其常ニ欲スル所タリ。光ヲシテ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
わたしはこの生活になんの不足もありませんでした。わたしは自分が二度と替えられない
終身の職に就いたことに対しては、なんの躊躇も感じていませんでした。私はただ心の喜....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
のか。大国主は戦い敗れて亡びた首長であった。猿田彦は裏ッ先に節を屈し、美姫を得て
終身栄えたであろう。しかも民衆の批判は、彼をして貝に指をはさまれ、海中へひきこま....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ラーという人が金を寄附してくれて、新たに化学の教授を置くこととなり、ファラデーを
終身官として、これを兼任させた。その年俸百ポンドで、今までの俸給の上にこれだけ増....
「春」より 著者:岡本かの子
も、京子のこの動作のためにだと判った。京子には手紙を出す身内も友人も無いはずだ。
終身|癒らない狂患者として親兄弟にも死に別れた京子が、三度目に嫁いだフランス人と....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の間に起こすことありという。 米国の風習、寺院に名望ある牧師あるときは、これを
終身その寺に奉職せしめんため、教会の資金をもってその生命を保険することありという....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
たので、上人これを傷んで、その鹿の皮を請い受けて皮衣とし、角を杖の先につけて、始
終身を離さず念仏を申す。定盛為に一念発起して、その弟子になったとある。殺生者はそ....