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組子
「組子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
組子の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
わ目立つものを十分はっきりとさせていた。しかし、部屋の遠くのすみずみや、あるいは
組子細工の円天井の奥の方は、どんなに眼を見張っても視力がとどかなかった。黒ずんだ....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
かい並木路のさわやかな冷たさを感じ、そこの無数の灌木のかぐわしい芳香を吸いこみ、
組子細工のゴシック風の尖塔がそのなかに包まれて眠っているほの暗い大気の静寂をやぶ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
享けてその生の骨子たらしめんとするのは「尊きもの」である。一枚の紙のみ張ってある
組子の無い障子はこの間まで春風を心地よく受けてふわりふわりとしていた。秋風の寒さ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ぶのか知らん……と道庵が戸惑いをしました。 ところが、たったいま引込んだ関守の
組子が、得物《えもの》を携えて関屋の前後からバラバラと現われたかと見ると、弁慶の....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
来た、武士あがりのこの大盗が、破牢して逃げたということだけでも、沼田藩は、捕り手
組子を押し出して捕縛に大わらわにならなければならないのであったが、そればかりでな....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
奈子が今|茲ではひどく背高のっぽになった気持だ。おまけに靴の尖まで陽が当る。踊の
組子なら影の垣に引っ込されてスターにだけ浴せかけられる取って置きの金色照明を浴び....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と、宅助がつかつか門際へ寄ってゆくと、前後してきた甲比丹の三次が、もうそこにいた
組子の者に、腰をかがめて何かしゃべっている。すると、 「さようか、では、しばらく....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
「……万吉さん」 と、感慨を目にこめてふりかえった。 すぐに、中西弥惣兵衛は
組子をつれてバラバラと駆けてくる。 捕渡しの法則どおり一|札を渡されたが、万吉....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
りだった。その鼻ヅラで周りの人間どもをねめまわしている。 事情を知らぬ犬同心や
組子の輩は、高氏がこの獰猛な物をどう扱うかと、ただ興味の下に見ているにすぎない。....