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「組紐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

組紐の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪中富士登山記」より 著者:小島烏水
みおろ》すと、火口壁の周辺からは、蝋燭の融けてまた凝ったような氷柱《つらら》が、組紐の如く、何本となく、尖端を鋭くして、舌のように垂れている、火口底は割合に、雪....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
、足音のざわめきにタクトされつつ、しきりなしに乱れ飛ぶ。扇屋、食料品店、毛皮店、組紐屋、化粧品屋、額縁店等々の店頭の灯が人通りを燦めかせつつ、ときどきの人の絶え....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
畳皺《たたみじわ》の存じた霜降《しもふり》「スコッチ」の服を身に纏《まと》ッて、組紐《くみひも》を盤帯《はちまき》にした帽檐広《つばびろ》な黒|羅紗《ラシャ》の....
毛の指環」より 著者:宮本百合子
「あら感心にまだこの紐がちゃんとしている」由子は一種の愛惜を面に表して、藤紫の組紐をしごいたりしたが、やがて丁寧にそれを畳んで、お清さんの前へ置いた。 「あな....
道標」より 著者:宮本百合子
る中央のところに、翼をはって空と水との間を翔《と》んでいるかもめが落付いた色調の組紐|刺繍《ししゅう》で装飾されているのだった。 「入口のドアにもついていたでし....
野道」より 著者:幸田露伴
らぬらしいが、いかにも上品な佳い瓢だった。そして底の縁に小孔があって、それに細い組紐を通してある白い小玉盃を取出して自ら楽しげに一盃を仰いだ。そこは江戸川の西の....
源氏物語」より 著者:紫式部
かばかしくできる人もない時のあやにくな姫君の御病気ですね」 などと言っていた。組紐が皆出来そろってから、中の君が来て、 「飾りの房は私にどうしてよいかわからな....
胚胎」より 著者:宮本百合子
食み出させてよく光る耳飾りをする。 第三の女、第一の女と同じ色に縦に五本ほど太い組紐で飾りのついたのを着て頭巾は後の方のパッと開いたのをつける。 非番の老近侍は....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
とはできません。あれの声を聞くことはできません……」 彼女はふところから小さな組紐の、わが子の帯を取り出したが、それを一目見ると、両手で顔をおおって、身を震わ....
浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
れは尺八だった。竹の肌艶といい根節の恰好といい、素人目にも美事な尺八で、紫の緒の組紐で上の方を結え、柱の釘にぶら下げてある。 「ま、尺八だよ。吹けるのかしら……....
ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
カアテン》を通す鉄棒がかかっている。ブルウス・テイラアは、カアテンを片寄せる強い組紐で首を吊って、その鉤からぶら下がって死んでいた。顔が、別人のように青くふくれ....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
うに思われます。 上野近くを歩くと田村屋の煙管だとか、十三屋の櫛だとか、道明の組紐だとか今でも古い看板を降ろしません。浅草の「よのや」も櫛で見事なものを売りま....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
でございます。この荷の中に――」 と、背に負っている小さい包みに首を曲げ、 「組紐の見本を持ちまして、近国遠国を注文を取って歩いておりますもので」 「ははあ、....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
る。嫁入する者が男の帯を織って持って行く風は南の方の島にもある。織るとは言っても組紐のようなものだから、持ってあるいて何処ででも織りつづけたかと思う。私も二十何....