経つ[語句情報] » 経つ

「経つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

経つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
に年が改まりました。私は勿論、あの第二の私を忘れた訳ではございません。が、月日の経つのに従って、私の恐怖なり不安なりは、次第に柔らげられて参りました。いや、時に....
婦系図」より 著者:泉鏡花
つ乗らない、空車を挽いて、車夫は被物なしに駈けるのであった。 ものの半時ばかり経つと、同じ腕車は、通の方から勢よく茶畑を走って、草深の町へ曳込んで来た。時に車....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。この星は他の星の周囲を回るとか、かの星は尻尾を引いて動いていって、しかして何年経つとまた帰ってくるとか、そういうことを言っていいものかどうか。よしてもらいたい....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
の上に乘っかったのよ。 それ迄はいい、それ迄は難は無えんだが、それから三日許り経つと、イフヒムの野郎が颶風の様に駆け込で来やがった。 「イフヒムの野郎」と云っ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
に羞じ、世に恥じて、一室処を閉切って、自分を暗夜に封じ籠めます。 そして、日が経つに従うて、見もせず聞きもせぬけれど、浮名が立って濡衣着た、その明さんが何とな....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
片づけて、火熨斗を掛けて、ちゃんと蔵って、それなり手を通さないでも、ものの十日も経つと、また出して見て洗い直すまでにして、頼まれたものは、兄さんの嬰児のおしめさ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
い、きっとお見懸け申してお頼み申します。)と言わせたのである。 やや一月ばかり経つと、その言違わず果して富山からだといって尋ねて来たのが、すなわち当時の家令で....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
て、浸出すか、零れるか、水か、油か、濡れたものが身繕いをするらしい。 しばらく経つと、重さに半ば枕に埋んで、がっくりとした我が頭髪が、その※……ともつかぬ水分....
星女郎」より 著者:泉鏡花
響き出した、その声が、何とも言われぬ……」 二十八 「寝てから多時経つ。これは昼間からの気疲れに、自分の魘される声が、自然と耳に入るのじゃないか。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
巻物をくり拡げているところは、全く素晴らしい眺めで、ツイうっとりと見とれて、時の経つのも忘れて了う位でございます。 それから又あちこちの木々の茂みの中に、何と....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
信といえども、必ずしも故意に然るにあらずして、しばしば力量の不足に基因する。時が経つにつれて、幽明交通に関する智識は、次第にわれ等の掌裡に握られて行くであろう。....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
た友だちなどが、朝夕遊びにやって来ました。それも一日|毎に数が増して、半年ばかり経つ内には、洛陽の都に名を知られた才子や美人が多い中で、杜子春の家へ来ないものは....
一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
処かに落付いてしまうよ。 A 飯を食いに出かけるのだってそうだよ。見給え、二日|経つと君はまた何処かの下宿にころがり込むから。 B ふむ。おれは細君を持つまでは....
良夜」より 著者:饗庭篁村
働きしゆえ、大いに一同に愛敬せられ、思いの外の学者なりと称えられたり。 月日の経つは活字を拾うより速かに、器械の廻るより早し。その年の夏となりしが四五月頃の気....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
一回分が丁度芝居の土間位の金高である。 ファラデーが助手となって、六個月ばかり経つと、ファラデーの一身上に新生面の開ける事件が起った。それはデビーが欧洲大陸を....