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経帷子
「経帷子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
経帷子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
の皿に、ちいさな皿に、 わたしがとったよ、その血をとったよ」 「だアれがつくる、
経帷子《きょうかたびら》をつくる」 「そォれはわたしよ」かぶとむしがそういった。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
その裏なる文字がひととおりでない奇怪さでした。 「――寝棺《ねかん》、 三個。
経帷子《きょうかたびら》、 三枚。 水晶数珠《すいしょうじゅず》、三連。 ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
熟と圧えた、浴衣に映る紫栄えて、血を吐く胸の美しさよ。 「私が死んだら、姉さん、
経帷子も何にも要らない、お嬢さんに頂いた、この半襟を掛けさしておくれよ、頼んだよ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
三郎は胆を潰し、 「これ何をする。どうするのだ」 「叱」 と老人は眼で叱り、「
経帷子がお通りになる。そうだ血染めの
経帷子がな。声を立てて見付けられたら私もそな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
らわしによるありふれたものが納められた。おまんらが集まって吉左衛門のために縫った
経帷子、珠数、頭陀袋、編笠、藁草履、それにお粂が入れてやりたいと言ってそこへ持っ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
新「もう上がろう」 と身体を拭き、浴衣を着、あゝ宜い心持になった。と着た浴衣は
経帷子、使った行水は湯灌となる事とは、神ならぬ身の萩原新三郎は、誠に心持よく表を....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
糸銀糸や消え際の草葉螟蛉、金亀虫、蠅の、蒼蠅、赤蠅。 羽ばかり秋の蝉、蜩の身の
経帷子、いろいろの虫の死骸ながら巣を引※って来たらしい。それ等が艶々と色に出る。....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
さに喘息を病んだように響かせながら、猟夫に真裸になれ、と歯茎を緊めて厳に言った。
経帷子にでも着換えるのか、そんな用意はねえすべい。……井戸川で凍死でもさせる気だ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
三日前、早い桜は咲こうというのに、季節違いの大雪が降り、江戸はもちろん武蔵一円、
経帷子に包まれたように、真っ白になって眠っていたが、ここ小梅の里の辺りは、家もま....
「梟啼く」より 著者:杉田久女
可愛い俤が残って、大人の死の様に怖い、いやな隈はすこしもなく、蝋燭を灯して湯灌し
経帷子をきせると死んだ子の様にはなく、またしてもこの小さい魂の飛び去った遺骸を悼....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
っている影を目掛け、諸手突きに突いた。 瞬間に、紙帳の中の燈火が消え、紙帳は、
経帷子のような色となり、蜘蛛の姿も――内側から描かれていたものと見え、燈火が消え....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
な異様の叫び声が、人々の口を衝いて出た。風呂敷に包まれた物というのは、白い新しい
経帷子であった。 二 かの老婆がなぜこんな物をかかえ歩いていたのか。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
いるのを、彼はどんなにさびしい思いをして見やったことだろう。雪におおわれた藪が、
経帷子を着た幽霊のように彼の路を取りまいているのを見て、なんどもなんども彼はぞっ....
「世界の裏」より 著者:国枝史郎
、一九一六年十二月十六日、金曜日の夜のことであった。この妖僧へ着せようが為めか、
経帷子のような雪が、レニングラード(その頃ペトログラード)の大都会に降っていた。....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
ちた晩も、(間)ああ今夜のように月光の青い晩でござりました。死んで行く人へ着せる
経帷子に螢の光がさしたような、陰気の晩でござりました。ああ丁度今夜のような、(女....