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結了
「結了〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
結了の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「こころ」より 著者:夏目漱石
はありません」といった。 実際その時の私は、自分のなすべきすべての仕事がすでに
結了《けつりょう》して、これから先は威張って遊んでいても構わないような晴やかな心....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
もなる。だからはなはだ勢力がある。この飯場頭と一分時間《いっぷんじかん》に談判を
結了した長蔵さんは、 「じゃ、よろしくお頼みもうします」 と云ったなり、赤毛布《....
「行人」より 著者:夏目漱石
訳にも行かなかった。自分はこの二三日の間に、とうとう東京の母へ向けて佐野と会見を
結了《けつりょう》した旨《むね》の報告を書いた。
仕方がないから「佐野さんはあ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の壮観があるだろうと予期した交渉はかくのごとく散文的なる談判をもって無事に迅速に
結了した。主人の壮《さか》んなるはただ意気込みだけである。いざとなると、いつでも....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
小説とか劇とかに必要なもので、作家がこの点において成功すれば、過半の仕事はすでに
結了したものとまで思われております。そこで俗に成功した性格とはどんなものかと調べ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
うせつ》陰謀事件が慶安四年十一月二十九日|丸橋忠弥《まるばしちゅうや》らの処刑で
結了すると、幕府は直ちに浪人の処分の事を議した。十二月十日に白書院で開いた閣老の....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
、七十点も取れれば一人前とみなされるであろう。商売人であればその日の取引を残らず
結了《けつりょう》することであり、一家の主婦なれば一日のあいだに為《な》すべき掃....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
分考えでは、なるべくならば審査してくれない方がよろしいと思っておりました。審査の
結了の時は、審査員すべてがさらに寄り合って、今一度精選して万一の疎忽のないように....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
○ 明治三十九年七月三日(封書) 啓上 その後御無沙汰。小生漸く点数しらべ
結了のうのう致し候。昨日『ホトトギス』を拝見したる所今度の号には「猫」のつづきを....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
のもの一勇斎国芳あるのみ。国芳は三世豊国(国貞)と共に光栄ある江戸浮世絵の歴史を
結了せしむる最後の一人《いちにん》たり。 明治五年向島|三囲《みめぐり》稲荷の....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
ったら、化けるも不思議に非ず、背くも亦自然である。つまりは人間と猫との取引はもう
結了して、今は只古来の行懸りだけが、若干の未解決を残存せしめて居るのである。 ....